ラボ日記
2026.05.01
スポーツと実験の技術
春になりスポーツのシーズンがやってきて、野球の結果を見ることが楽しみな毎日です。もちろん冬の間もオリンピックや駅伝をテレビで観戦して楽しんでいました。スポーツを見ていて思うのは、数十年前には考えられなかったような世界記録が出たり、技が繰り出されたりするのはどうしてか、ということです。フィギュアスケートでは4回転をバンバン跳ぶし(マリニンは残念でしたが)、野球の投手は150キロ後半をビュンビュン投げるし、100m9秒台の記録を持つ選手もずいぶん増えました。これはアスリートの努力の賜物であることは間違いないのですが、数十年前の人も激しく努力していたはずですし、同じ人間の行いのはずなのに、なぜと思います。シューズなどの道具が良くなっているし、トレーニング方法も向上しているしな、と家族に言われると、まあそうなのだろうとは思います。でも科学者なのに非科学的?なことを言うと、周囲の影響で自分もできるという気持ちになることも重要なように思います。学校でも周りの子ができていると自分もできそうな気持ちになって、クラス全体ができるようになるといった経験をしたことがあるかと思います。そんなに簡単なことではないよ、と言われてしまうかも知れませんが。
さてさて1月の文章でゲノム編集がまだできていない云々と書きましたが、なんと文章がアップされたその日に行った実験でうまくいってしまいました。その朝にアメリカの知り合いの研究者からメールが届き、その日に公開された中国チームの論文にクモのゲノム編集が出ていることを知ってすぐに読み、これならできるのではないかと思い、ちょうど良く生まれた卵を使ってその日のうちに実験を行い、そして待つこと1週間。その間も注射した胚の形が正常ではないような様子を感じつつ過ごしていたのですが、うまく行ったことを示す結果が観察できました。それが決定的になった時はもちろん嬉しかったのですが、むしろあっけなく、なんだ、できるじゃん、と言う感じでした。これまでクモのコミュニティでうまくいっておらず少し落胆ムードだったのですが、中国チームがうまくいったなら、こちらもできるはずという気持ちになり、それが良かったのではと思います。もちろん中国チームの方法論が良かったことが決め手であったことは間違いありません。その後、欠失だけではなく、短い断片の挿入にも成功しました。クモの卵が光る日も近いかも知れません。
先日、マラソンの世界記録がとうとう2時間を切ったというニュースがありましたが、さすがにだから自分も、とはなかなかなりませんね。
さてさて1月の文章でゲノム編集がまだできていない云々と書きましたが、なんと文章がアップされたその日に行った実験でうまくいってしまいました。その朝にアメリカの知り合いの研究者からメールが届き、その日に公開された中国チームの論文にクモのゲノム編集が出ていることを知ってすぐに読み、これならできるのではないかと思い、ちょうど良く生まれた卵を使ってその日のうちに実験を行い、そして待つこと1週間。その間も注射した胚の形が正常ではないような様子を感じつつ過ごしていたのですが、うまく行ったことを示す結果が観察できました。それが決定的になった時はもちろん嬉しかったのですが、むしろあっけなく、なんだ、できるじゃん、と言う感じでした。これまでクモのコミュニティでうまくいっておらず少し落胆ムードだったのですが、中国チームがうまくいったなら、こちらもできるはずという気持ちになり、それが良かったのではと思います。もちろん中国チームの方法論が良かったことが決め手であったことは間違いありません。その後、欠失だけではなく、短い断片の挿入にも成功しました。クモの卵が光る日も近いかも知れません。
先日、マラソンの世界記録がとうとう2時間を切ったというニュースがありましたが、さすがにだから自分も、とはなかなかなりませんね。


秋山-小田康子 (共同研究員)
所属: 細胞・発生・進化研究室
動物の初期発生に興味を持ち、オオヒメグモを用いて研究しています。