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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【実験室見学ツアー】

2012年8月1日

7月21日に今年度1回目の実験室見学ツアーを行いました。ご来館いただいた皆様、ありがとうございました。

「背中を作る働きをする遺伝子」の発現
(ツメガエル原腸胚)

青紫色の部分でこの遺伝子がはたらいており、
将来の背側になります。

橋本ラボでは、水槽室見学や研究の話に加え、「遺伝子がはたらく場所を探してみよう」と題した新たなプログラムを用意しました。その内容は、私たちが普段の研究で遺伝子発現を見る際に行っている、in situハイブリダイゼーションという方法をカエルの胚で実際に体験していただくというものです。今回は背中をつくるのに重要な遺伝子の発現を見ていただきました。胚の発生の早い時期では、見た目では背側と腹側の区別はつきませんが、この実験に成功すると、右の写真のように、将来背側になる部分が青紫色に染まって、見えるようになります。また、結果が出るまでの間には、この方法の原理や、遺伝子がはたらくとはどういうことかという話を聞いていただきました。

遺伝子組換え作物など、遺伝子という言葉は今や一般的かもしれません。今回の企画の趣旨の一つは「遺伝子が機能するというのは、実際にどういうことなのか」、ということについて生物学を学んでいない方々でも、ちょっとでも理解していただけたらということでした。30分という限られた時間で、実験もやりつつの説明ということもあり、専門的な予備知識が全くなかった方には少し難しい内容だったのではないかと、不安に思うところもありました。誰にでもわかりやすく研究を説明する難しさも実感しましたが、次回また、1人でも多くの方に来てよかったと思ってもらえるような企画ができればと考えています。

次の実験室見学ツアーは10月に予定されています。興味のある方はぜひご来館ください。

[ カエルとイモリのかたち作りを探るラボ 西原あきは ]

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