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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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紙の昆虫たち

2015年6月2日

澄みきった青空と爽やかな風が気持ちのいい季節です。この心地よい気候がもうしばらく続いて欲しいなと思う今日この頃です。

少し前に友人からちょっと変わった個展があると教えてもらい、小さなギャラリーで行われていた「紙の昆虫展」に行ってみました。小さな展示会場ではありましたが、そこに並んでいたのはたくさんの紙だけで作られた昆虫達でした。驚くことに、ほぼ実寸大で作られており、一番小さな作品では1センチ弱ほどのアリやてんとう虫で、それぞれ頭、胸、腹はもちろん脚や羽までが紙だけで作られていました。蝶やカブトムシ、クワガタムシなどのリアルな形を再現した作品は、羽の模様や凹凸・脚や触覚の曲がり方までが精巧に作られており、並べて展示してある作品は本物の昆虫標本のようでした。また、特に目を引いたのは「擬人化した昆虫たち」です。てんとう虫の親子が草むらの中をピクニックに出かける姿やたくさんの昆虫たちによるオーケストラの様子・カブトムシが椅子に座ってナイフとフォークで食事をしている様子など、私たちの生活で見る場面を「昆虫たちだったら…」と色々なストーリーを交えながら作られていました。一つ一つの小さな作品の中に作家のこだわりと、昆虫が好きでそのおもしろさを多くの人に知ってもらいたいという、熱い思いが詰まっているからこそ、見る人を惹きつけるのだなと感じました。何だかとてもホッとでき、思わず笑顔になる作品ばかりでゆっくりとした休日を過ごすことができました。

私も生き物が好きで、生物はどうやって形を作っているのか、ということを日々考えながら研究をすすめています。興味を持つ点やその面白さの伝え方は、人それぞれですが、私なりのアプローチで生き物のおもしろさを追求していきたいなと改めて考えました。

[ カエルとイモリかたち作りを探るラボ 原田 綾乃 ]

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