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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【表現展】

2000年8月15日

 残暑お見舞い申し上げます。
まだ夏休みもとらないうちに、夏は終わりに向かっているようで寂しい限りです。
 最近は、10月から始まる新しい展示に向けて、自分の芸術学の修士論文(「描かれる鳥虫たち」)を引っぱりだすことに始まって、図鑑を眺めたり、『ぴあ』をチェックしたり、延々とホームページを検索したり、文献を読んでいるかと思えば、オサムシやクワガタに餌をやったりしています。
 何の展示かというと、「研究を表現する展」です。
 何やらさっぱり解りませんか?「研究を表現する展」→「生物の研究を表現した作品(絵画など)を展示する展示」です。「生物の研究を表現した作品」は、最新の生物学の知見で描いた現在の作品から、動植物を描いた江戸時代の絵画まで対象に入れたいと考えています。
 展示は大きく3つの構成になる予定です。
【1】BRHでつくった「 DNA って何?」からひきだした松木洋氏のCG作品を展示。
「 DNA って何?」は、細胞やDNA の構造、働きに関するあらゆる研究に基づいて、創作した映像です。
【2】生物に関連するテーマで、新たに作品を制作し、展示します。現在、応募いただいた参加者の皆さんの選考段階です。
【3】博物学が流行した江戸時代、生き物の描き方が変化しました。画家達の観察眼は、当時の研究の視点と言っても過言ではありません。生命の表現の変化と背景を考えます。
 目下、ゾーン【3】の構成と【1】への繋がりに苦心しています。もっとも繋げていいものか?絵一枚眺めながら、これは科学か?生命誌か?芸術か?科学は芸術か??だいたい科学、芸術って何かしらん?!と、自己問答の日々です。少しでも結論に近いものを展示でお伝えできればと思います。
 展示期間は1ヶ月間と短いので、お忘れのないように是非見にいらして下さい。御意見御感想もよろしくお願い致します。
[北地直子]

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