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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【新年、あけましておめでとうございます。】

2001年1月1日

 あっという間に一年が過ぎ、12月にいたっては驚異的なスピードで過ぎていきました。
 去年もいろいろな人に会い、たくさんの影響を受け、忙しいながらもとても楽しく、勉強になる一年を過ごせました。また次の一年も楽しく働きたいと思っています。
 去年、最も印象深かった言葉は何だろう?と考えてみると、実験室見学ツアーでの館長の発言です。サリドマイドがハンセン病に絶大な効果があることがわかり、世界のある地域で使用が再び認められるらしい、という話の中で、館長が「歴史は繰り返すと言いますが、これは人間という生きものの最も大きなフェノタイプ(表現型)かもしれませんな」と言われたのです。詳しく分析するのはどうも野暮ったい気がするので、控えますが、生物学の知識をもって歴史を見るとはこういうことなんだなぁ、と感動しました。繰り返される悲しい歴史もそうやって捉えると、防ぐ手だても全く異なってくる気がしませんか?
 いろいろな問題を生きものを知って望めば、違って見える。こういうことって社会を見渡すと驚くほどある気がします。私達が生きものだから当り前なのですが、、。 そうか、生命誌とはこのことね、と実感する毎日。感心ばかりせずに、それを伝える役割なので、がんばらねば。
今年も生命誌研究館をどうぞよろしくお願い致します。
[工藤光子]

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