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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【異常気象】

遠山真理
 私は海好き。夏になったら海水浴だけは絶対にかかせません。今年もはりきって西伊豆に行ってきました。でも、直前に伊豆を襲った豪雨のために、道路のところどころで土砂崩れ。おまけに濃い霧がかかって全く前が見えなくなるなど、かなりの恐怖体験となってしまいました。さらに道路は海岸沿いの切り立った山の上(崖?)を通ることが多く、下の方のぞくと波が岩にぶつかっては砕け散り、とても荒々しい様子。出ばなをくじかれて、大自然の洗礼を受けてしまった私ですが、気を取り直して海岸へ行ってみたところ、足をつけただけで、引き返したくなるほどの寒さ(泣)。一応、八月だったのですが、これも今年の夏、世界中を襲った異常気象のせいなのでしょうか?
 スケールは違いますが、生命が誕生してからの38億年間、地球はさまざまな異常気象(長い期間をかけて変化したのでこの言葉はあてはまらないかもしれませんが)に見舞われていたようです。原始の地球が熱かったということは知っていたのですが、地球の歴史は私の想像を超えていました。まさか全地球が凍結するようなことがあったなんて・・・。24〜22億年前と7〜5億年前に地球は凍りつき『スノーボールアース』と呼ばれる状態になったそうです。そんな環境で、生きものたちが本当に生き延びられるのか半信半疑ではあったのですが、海底火山など熱水が噴出しているようなところで、ほそぼそと暮らすことはできたようです。地球がスノーボールアースになってしまう原因ははっきりと分かっているわけではありませんが、24〜22億年前の場合にはラン藻などによる光合成の結果、酸素濃度が上がったためともいわれています。生きものが積極的に環境に働きかけて、大きく気候を変えてしまうなんて驚き。生命は穏やかな地球環境で育まれてきたと思い込んでいたのですが、案外激しく変わる環境の中で耐え忍んできたのかもしれませんね。急な環境変化に対応できなかった私は来年が平年並の気温になることを祈って・・・。



[遠山真理]

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