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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【細胞から「生きている」を考える】

2017年2月15日

川名 沙羅

昨年の季刊「生命誌」のリサーチでは「生きものの基本単位、細胞から生きているを考える」をテーマに8本の研究を取り上げました。去年の活動をいかしながら、今年は展示ホールの「細胞展」を刷新します。そして、私は今、展示の物語づくりの真っ只中です。個々の細胞のはたらきを鮮明に観る技術の進展や、多数の細胞が役割分担しながら維持する細胞社会の実態に迫る研究など最先端の科学の成果をとりいれ、「生きている」を見つめ「生きる」を考える作品をつくりたい。伝えたい思いはありますが、どう語ればいいのか、どう形にしていけばいいのか、迷うことばかりですので、セクターのメンバーと相談し叱咤激励をもらいながら、一歩ずつ進んでいるところです。

細胞1個の大きさは1ミリの約1/100ほどです。肉眼では観ることのできないミクロの世界のできごとを実感することは難しいため、自分の住む世界から遠く離れたところの話のように感じてしまいますが、小さな分子、細胞のはたらきにより私たちの日常は支えられています。「今、ここにいる私の物語なんだ」と来館者の方、一人一人が実感できる細胞の物語をつむぎ、展示を体験する前と後では、自分の日常が少し違って見えるような作品をつくりたいと思います。そのための、物語をどのように具体化していったらよいのか、完成まではまだまだ遠い道のりですが、また制作過程をお伝えします。

[ 川名 沙羅 ]

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