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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【「動詞で考える」】

2017年11月15日

川名 沙羅

和(なごむ、やわらぐ、あえる、のどまる)」をテーマに取り組んできた、2017年の季刊生命誌は12月1日発行95号がいよいよ最終号です。日々の活動に没頭しすぎて、つい和むのを忘れてしまうので、積極的に和みながら2017年を走りぬけたいと思います。そして只今、表現セクターでは来年のテーマとなる動詞を考えています。言葉のもつ意味はもちろん、季刊誌の顔として言葉のひびきや美しさも大切ですので「これだ!」と感じる動詞にはなかなか出会えません。頭の中にある言葉をあれこれ思い起こしながら、辞書をめくっていくことは、これまで知らなかった意味に出会ったり、字の成り立ちに触れる楽しい時間です。どこまでも続く言葉の森を歩き回り、キラリと光る動詞を探しているような気持ちです。

こうして言葉を真剣に見つめ、動詞で活動のテーマを考え続けて今年で15年目です。愛づる、語る、観る、関わる…これまで選んできた動詞をふりかえると、どのテーマもその年、1年だけのものではなく、ずっと心に留め、考える時の足がかりになる大事な言葉だと感じます。この活動の蓄積をいかした季刊生命誌のアーカイブ「動詞で考える生命誌」を本日公開しました! デザイナーでありプログラマーの奥田透也さんと制作した表現で、動詞を出発点に約200件の記事をめぐることができます。それぞれの動詞の意味を表現するシンプルなアニメーションもつくりました。この制作を通して、動詞を改めて見つめ、その意味を考え、ひとつひとつに動詞への愛情がさらに増しました。言葉は人に使われることによって、その中に込められていた意味が生き生きと立ち現れてくるものだと思います。言葉がもつ力をきちんと生かす表現をしなければいけないと、気を引き締めながら生命誌の作品づくりを続けています。


生命誌アーカイブの打ち合わせ(8月)

[ 川名 沙羅 ]

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