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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【電子ブック発行しました!】

2017年12月15日

星野 敬子

本日、電子ブック(iBooks)を発行しました。BRHの17の展示を、写真や動画とともに体感できます。

展示を目の前にしたときの臨場感を味わえるようにしたいと思い、表情が全く異なる展示の最適な収録方法を一つずつ考えました。例えば、「『生きている』を見つめ、『生きる』を考えるゲノム展」は、6枚のパネルそれぞれに物語がありますが、全体を貫く流れも大切です。そこで、パネルをパノラマ写真で見渡せる導入をつくりました。実はこの写真、コマ撮りした100枚以上の写真を合成して一枚にしています。撮影は半日がかり、合成には・・・もう数え切れないほどの時間をかけました。

生命誌のお散歩」も難産でした。生きものと地球の移り変わりが描かれた18枚のパネルが、隙間少なく一列に並んでいます。これを、連続性を読み解くとともに一枚ずつ見えるようにしたいと思い、無謀にも鉄枠にはめ込まれた100kg?はあろうかというガラスパネルを17枚動かして撮影しました。さらに、パネルに描かれた無数の小さな点を見やすくするため、画像に細かいパスを切り色味も調整しています。

なんだか苦しい裏話のようですが、制作会社の円陣さんの心意気と技術のおかげで実現でき、とても楽しい制作でした。よい方法がわかっていても、さまざまな制約で実行が難しいことはよくあります。しかし、円陣さんはすべてのアイデアを「面白いですね、やりましょう」と言ってくださり、「こう表現したほうががもっと伝わる」と提案してくださり、労を惜しまず取り組んでくれました。ご一緒できて、よい仕事ができて、とてもうれしいです。

BRHに来たことがない方も、展示を存分に味わっていただけますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。無料です。そして次年度は、英語版を計画しています。どうぞお楽しみに。

[ 星野 敬子 ]

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