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2022.08.27

命の不思議さ

参照記事「研究館より」

ツチノコ

生き物の不思議さに触れる度に神秘的な感動を覚えますね。
子どもの頃の出来事ですが、ご近所の本屋さんが建て直しをすることになりました。工事が休みの或る日、ガレキに混ざって多くの書物が雑多に積まれていたところで遊んでいると、見たこともないような不思議な書物を発見しました。それは、母体の中の胎児の成長過程を写真で追った学術書でした。6、7歳の私にはそれは衝撃的ではあったのですが、不気味に感じるというよりは子どもながらに何か尊いものを見ているように感じた事を鮮明に覚えています。
少し大人になって、自分自身もあの写真の胎児と同じような過程を辿りながらこの世に誕生したのだと知りましたが、それをたった今、実感することができない(その記憶がない)というもどかしさも同時に感じました。よく「前世の記憶が蘇る」などのお話を聞くこともありますが「胎児の時の記憶」を思い出せたら....またそれも素晴らしく不思議な体験かもしれませんね。

2022.08.27

1. 佐藤勇輝(形態形成研究室)

ツチノコ様へ
最初は1つの細胞だった生命が、母体の中で成長して胎児になっていく過程は非常に複雑でありながら興味深い現象ですね。
また一方で、幹細胞の研究をしている私の興味としては、胎児の分化能の高い幹細胞が胎盤を通って母体に入り、長い間母体に残り続けているというfetal cell microchimerism(直訳すると「胎児細胞によるほんの少しのキメラ化」でしょうか?)も非常に興味深い現象です。母体に障害のある臓器があれば、この胎児由来の幹細胞がその臓器を修復するといったことも報告されており、母と子の絆というのは細胞レベルでも存在していると思うと感慨深いものです。(父と子に細胞の絆がないのは、男の身からすると少し寂しいですが笑)

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