1. 系統進化研究室

いただいたご質問を正確に理解できていないのかも知れませんが、「核DNAとミトコンドリアDNAは別の過程を用いて実験に使用するのか？」というご質問なのかと理解し、お答えさせていただきます。
以前は細胞分画法という方法を用いて、まず遠心分離で核とミトコンドリアを分けて（核のほうがミトコンドリアよりも重いので下に沈む）それを用いて実験をしていた時もありました。最近は、多くの生きものでミトコンドリアDNAや核DNAの塩基配列が判明しており、その配列情報を用いてPCR実験など対象のDNAを直接増幅することができるため、それぞれを分ける必要がなくなりました。今回見ていただいたチェックする機械（電気泳動）は、PCR反応がうまく出来ているか(DNAがあるかどうか)を確認するための実験なので、核DNAにもミトコンドリアDNAにもどちらにも同じように使用して結果をみます。
※核DNAとは真核細胞の細胞核に含まれるDNAのことであり1細胞に通常2コピー存在するものであり、ミトコンドリアDNAとは細胞小器官であるミトコンドリア内にあるDNAのことであり1細胞に多コピー存在する。

3. 系統進化研究室

コメントはありがとうございます。
ご質問の意味を完全に理解できていないので、的確に回答できていないかもしれません。ご了承いただければと思います。
ミトコンドリアDNAと核DNAは全く異なるゲノムです。つまり、ミトコンドリアゲノムには核ゲノムのDNAがないし、逆に核ゲノムにもミトコンドリアゲノムのDNAはありません（ミトコンドリアDNAの偽遺伝子は核ゲノムに存在します）。ミトコンドリアゲノムは、動物の場合およそ16000ほどの塩基対の環状DNAとなっており、核ゲノムは、仰るように複数の染色体で構成されている大きなゲノムです。核ゲノムでは父親と母親から1セットずつ由来しているので、合計2セットのDNAがありますが、ミトコンドリアゲノムは母性遺伝で、卵経由で遺伝するので、一つのミトコンドリアに1セットのDNAしかありません。ただ、一つの細胞には数百（ヒトの場合）のミトコンドリアが含まれています。