1. トップ
  2. 語り合う
  3. みんなの広場
  4. 驚きの昆虫の仕組み

みんなの広場

生命誌について

2023.08.17

驚きの昆虫の仕組み

参照記事「研究館より」

やっちゃん

 始めて知った昆虫の雌雄。いえ、雌雄があることは知っていましたが、半分雄と半分雌が、しかも左右で表出するものもあると知り、驚きました(呆然)。まるでSFの世界のようですね。
 さらに驚いたのは、そのような個体を解剖した結果、脳も雄と雌が半分ずつでも、生殖機能は雌だったということです。べースは雌なのですか??
 では、雄の角を持ち、生殖機能は雌の個体は卵を産めるのでしょうか?
 パートで勤務する保育園の乳児室では、今、カブトムシを雌雄で飼っています。1歳児や遊びに来た2歳児が触って観察しています。平気な子は指に捕まらせています。最近、雄は元気がなくなってきましたが、少し前まで担任保育士の指にしがみついて、交尾する様子を見せていました。擬似行為かも知れませんが、カブトムシの雌に出会って産卵までの道のりは紆余曲折有りだと感じました。

2023.08.18

1. 宇賀神 篤(昆虫食性進化研究室)

昆虫たちは彼ら同士で,「やたらとデカくて長生きだけど大人になるまでアホみたいに時間のかかる毛むくじゃらの生き物(哺乳類のこと)って,性がホルモンとかいうわけわからん物質の働きで全身一斉に決まるらしいよ?マジSFなん?細胞ごとの我々のほうがカッコいいよね〜」と思っているかもしれませんね。

さて,「ベースはメスなのか?」というご質問ですが,その意図されるところは「紹介したハチの雌雄モザイク個体は,全身のうちメスの細胞が多くを占めているのか?」というところかと思います。全身すべての細胞を回収して雌雄判定したわけではありません。また,受精卵が卵割を繰り返して最終的に虫の体ができるわけですが,その過程で消えていく細胞もあります。ですので,残念ながら「わからない」としかお答えできません。

2つ目のご質問についても,「ケースバイケース」としかお答えできないというのが正直なところではありますが,さすがにそれでは面白くありませんね。仮に「オスのツノを持ちつつ生殖機能はメスというカブトムシ個体X」が存在したとしましょう(私は甲虫類は専門外のため,そんなパターンが発生学的に出現し得るのかわかりませんが)。産卵のためには,Xは前もって正常なオスと交尾する必要があります。きっとカブトムシでも異性探しにフェロモンが役立っているでしょうから,Xはオスを誘引するメスのフェロモンが作れないといけません(逆に,オスの匂いを感じることができないといけないのかもしれません)。首尾よくオスと出会えても,今度は求愛を受け入れないと子孫は残せません。交尾成立後は,オスと出会った樹液のレストランを離れて腐葉土を探し,そこに産卵する必要があります。こうした一連の性に関する行動プロセス(まさしく「紆余曲折」です)は,雌雄に応じて特有の感覚器や神経の働きでコントロールされています。カブトムシXは,これらの仕組みがすべてメス型でないといけません。ツノ,つまり外見が思いっきりオス型ですので,きっと体の他のどこかもオス型と想像されます。従いまして,「産卵という行為自体は物理的には可能と思われるが,そこまでのプロセスを問題なくこなすことができないため,生物として自然な流れでの産卵は困難と思われる」というのが私の意見です。あくまでも仮の話,ではありますが。

コメントする

お名前(ニックネーム可)
メールアドレス
コメント
アイコン
  • 入力いただいた情報は自動で掲載されません。
    当館の担当者が内容を確認の上、後日掲載させていただきます。
    掲載の折にはメールでご連絡いたします。
  • 内容によっては掲載されない場合があります。
  • メールアドレスは上記以外の目的に使用いたしません。