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2026.03.04

人間らしさについて

参照記事「研究館より」

雨田祐二

 自分の益にならないことでもやるというのが、互恵関係で繫栄してきた地球上の生物の美しいところだと感じます。見た目がどうとか、手触りがどうとか関係なく、すべての生き物のおかげで自分が存在できているのだと知ると、そう考えていなかった自分、まだそう考えられていない仲間が心配になります。過去の何百万倍ものスピードで生物を絶滅させてしまっている人間の行為は、自分の首を自分でしめ、自ら破滅に向かっているわけで、気づいている人の声がみんなに届けばいいのに、他の声にかき消されているように感じます。
 教育関係の仕事をしていますと、情報活用能力を伸ばすために、GIGAパソコンを使い倒し、AIをうまく取り入れていきましょうと言われています。クラウド環境でとても便利になり、うまい活用は、昔夢見ていたことの実現に感じられます。ソサイエティ5.0です。でも、とても不安にさせられます。AIが描く絵、まとめてくれる文章がとても怖く感じるのは、自然と切り離されていることへの生理的な不安なのではないでしょうか。そのAIがシンギュラリティを迎えたら、やはり地球上で一番わがままな生き物はいなくなった方がいいって判断してしまうのではないかと話す人がいて、そうかも、と思います。
 私の祖父母は満州に渡り、家族で引き上げてきました。命あったのは奇跡的だったようです。その祖父母も父の兄弟もみな、戦争の悪を見ており、やってはいけない実感を伴った理解をしています。中村先生の世代が感じたもの、それを受け取った人たちの大事なもののリレーをしなければならないと思います。それが、「歴史」なのでしょう。戦争はだめだよ。だって戦争に行ったじいちゃんがそう言っていたもん。戦争を知らない世代の実感は身近な人の思いなのかもしれません。
 ヒトの数十万年は宇宙の一瞬かもしれませんが、一瞬で終わらないポイントが今出す知恵なのかと思われます。

2026.03.06

1. 中村桂子(名誉館長)

雨田祐二様
 効率だけを追う加速主義の中での教育は難しいですね。本来、私たち生きものは、自分の時間を持っており、それを紡いでいくのが生きることですのに、その時間を否定するのですから。
 例えば、文章はゼロから作るところに意味があります。作文の時間に、一番悩むのは書き出しでした。始めてしまえば少しづつ言葉が出てきて、段々調子が出てきたら占めたものです。
 たとえ時間がかかっても、ゼロから始めることの大切さと面白さこそ知の原点です。子どもたちにこの楽しさを伝えたいと思っています。戦争のことも。Keiちゃわさんへのお返事で書きましたが、人間がどこかへ消えているようで恐いです。教育現場の方のお考えが大切ですね。
                   中村桂子

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