その他
2026.03.31
目の前で見つめる「鰭から肢へ」
うりちゃん
黒田先生の記事、とても面白く、興味深く読ませていただきました。私は生命誌という「知」を知って、進化の歴史に強く興味を持ちました。私の学生時代は、進化というのは用・不用説が中心だったかと思いますが、それでは進化の連続性がわかりませんでした。遺伝子もゲノムもDNAも全くわかっていないのですが、それらから進化を知りたいと思うようになりました。前置きが長くなりました。今、中山間地域に住んでいまして、セトウチサンショウウオがたくさん生息しています。それで保護のための飼育をしていると、体の前方に鰭がでてきて指のある前肢に。その後、後方に出てきた鰭は後ろ肢に。「鰭から肢へ」、目の前の大きな変化に感動しました。セトウチサンショウウオの生息環境は悪化するばかりですが、高齢者の私でも感動するのですから子どもたちが見たら、感動はいかばかりかと思います。本種が生息できる環境を子どもたちに残してあげたいです。
2026.03.31
1. 黒田純平(形態発生研究室)
うりちゃんさん、素敵なコメントをお寄せくださり、ありがとうございました。
記事を丁寧に読んでくださったこと、そしてセトウチサンショウウオの発生を目の前で観察されたときの感動を共有していただけたこと、とても嬉しく拝読しました。
サンショウウオの幼生は本当に可愛らしいですよね。私自身、セトウチサンショウウオの発生を実際に見たことはありませんが、うりちゃんさんの描写から、その小さな命がもつ力強さが目に浮かぶようでした。
両生類の肢は、まず平べったくて鰭のように見える小さな“肢の原基”ができ、そこから内部に軟骨や骨が形づくられて指のある前肢・後肢へと発達していきます。また、同じ両生類でも、カエル(無尾類)とイモリやサンショウウオ(有尾類)では前肢と後肢のどちらが先に発生するかが異なるのも、とても興味深い点ですね。
私も日々、研究室で生き物の発生を見つめながら、そのダイナミックさに心を動かされています。
普段はなかなか目にする機会のない小さな生き物たちも、長い地球の歴史の中でそれぞれの道をたどって今ここにいる、大切な存在なのだと感じています。
セトウチサンショウウオが暮らす環境を守り、次の代の子どもたちにもその感動を手渡していきたいとう、うりちゃんさんのお気持ちに、私も深く共感しています。
2026.03.31
2. うりちゃん
うれしいご返信ありがとうございます。鰭のように見えるのは、鰭ではなく“肢の原基”なのですね。アカガエルの発生を観察して、孵化直後のわずかな期間、外鰓があることを確認しました。また、肺魚が両生類の直接の先祖ではないことも。知ることはとても面白く、楽しいです。近いうちに生命誌研究館に行こうと思っています。ありがとうございました。