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  3. 季刊「生命誌」37号

昨年植えた球根から芽が出て可愛いチューリップが咲いた。生まれ、育ち、死んでいくもの、それが生きものだ。個体は死に、また新しい生命体が生まれる。生きるということは、時を刻むことであり、くり返すことである。現代社会は、進歩・効率をよしとするために、この「時」を切る方向に進んできた。生命を大切にするということは「時」に眼をむけることではないか。そう考える中で、大和ことばの「愛づる」に出会った。時をかけ見つめることで生まれてくる生命を愛する気持ち。

トーク第1回は愛について、今道先生に好奇心程度で動くとせいぜいが科学と切りこまれた。リサーチは人間の心を進化と個体発生の中で捉えようとしている板倉さんと、生物時計の進化を明らかにしたいと、シアノバクテリア時計遺伝子を研究する岩崎さん。サイエンティストライブラリーは、ゲノムの柔軟さが凝縮された「免疫のしくみ」に挑む本庶佑先生。科学も単なる好奇心を超えた対象への愛があることが伝わることを願って。(中村桂子)

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2003年年間テーマ

愛づる

生きているとはどういうことかを考えるなら動詞でなければならないと気づいて今年から年間テーマを動詞にしました。最初はやはり、研究館が基本にしている「愛づる」です。「蟲愛づる姫君」は皆が嫌う虫の中に生きる本質を見出し、それを愛しみました。愛づるは、表面の美しさには左右されず、本質を見ることから生まれる愛です。いのちは大切と誰もが言いながら、実は社会は反対の方向へ動いています。ゆっくり時間をかけて生きものをみつめると生まれてくる心「愛づる」を思い出しましょう。日本人の中にずーっと流れてきた愛の気持ちです。

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レクチャー

6/18(土)14:00〜15:30

皮膚のはたらきはどのように進化してきたのか?