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  3. 季刊「生命誌」40号

時を刻む生きものをていねいにみつめることで生まれる「愛づる」気持を基本に考えてきた今年度の最終号。思想や芸術への広がりを実感したうえで生命そのものを考えてみようと思った。

トークは、ずばり「生命とは」。生きものには多様化するという普遍性がある。ナルホド。これをグイッとつかむと生きもののしっぽかも・・・。リサーチは環境。まさに多様化を産み出してきたのは生きものと環境の関係。生命とはなにかという問いの裏には環境がある。加藤さんは、奇妙な生き方を選ばせる環境、山岸さんは、最初に生命を産み出した環境。共に日常から離れたところから本質を見ようとしている。サイエンティストライブラリーは時代と共に数学・物理・生物と興味を移し、問いの立て方こそ大事という姿勢を貫いた宮田隆氏。(中村桂子)

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2003年年間テーマ

愛づる

生きているとはどういうことかを考えるなら動詞でなければならないと気づいて今年から年間テーマを動詞にしました。最初はやはり、研究館が基本にしている「愛づる」です。「蟲愛づる姫君」は皆が嫌う虫の中に生きる本質を見出し、それを愛しみました。愛づるは、表面の美しさには左右されず、本質を見ることから生まれる愛です。いのちは大切と誰もが言いながら、実は社会は反対の方向へ動いています。ゆっくり時間をかけて生きものをみつめると生まれてくる心「愛づる」を思い出しましょう。日本人の中にずーっと流れてきた愛の気持ちです。

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