ATP合成酵素と酸素呼吸
 生きものは食べ物に含まれる有機物を分解してエネルギーを取り出し、ATPをつくり出す。酸素を使う呼吸では解糖系、クエン酸回路、電子伝達系の3つのステップからなる。
 電子伝達系では膜の酵素が電子を受け渡しながら、ミトコンドリアの外膜と内膜の間に水素イオン(H+)を運び出し、濃度差をつくる。水素イオンがもとに戻ろうとする力を利用してATP合成酵素は回転し、ATPを効率よくつくる。
呼吸のしくみ C6H12O6 +6O2→6H2O + 6CO2 + 36ATP
解糖系 反応場所:細胞質=細胞の小器官(核やミトコンドリア)以外の部分
グルコース(C6H12O6
→ 2×ピルビン酸(C3H4O3)+4×エネルギーを持った水素(2NADH2)
→ 2×ATP

グルコースが分解され、2分子のピルビン酸になる。その過程でエネルギーをもったH(水素)がNADに渡されNADH2ができ、さらにATP2分子もできる。NAD(FAD)は補酵素で、エネルギーをもった水素の運搬タンパク質である。
クエン酸回路 反応場所:ミトコンドリアの内膜に囲まれた領域(マトリックス)
2×ピルビン酸(C3H4O3)+6×水(H2O)
→ 6×二酸化炭素(CO2)+20×エネルギーを持った水素(8NADH2、2FADH2

ミトコンドリアに入ったピルビン酸は分解され、二酸化炭素とC2(活性酢酸)ができる。そのC2がクエン酸回路のC4と結合し、C6になって回路がスタートする。
一回転する間に2分子の二酸化炭素とエネルギーをもった水素がNADとFADに渡されNADH2、FADH2ができる。C2が入ってきて、二酸化炭素としてCが2個出ていくので、一回転しても炭素数は変わらない。このような反応系を回路と呼ぶ。
電子伝達系 反応場所:ミトコンドリアの内膜
24×エネルギーを持った水素(10NADH2、2FADH2)+6×酸素(O2
→ 12×水(H2O)
→ 34×ATP

解糖系とクエン酸回路で得られたNADH2、FADH2がエネルギーを持った水素を電子伝達系の酵素に渡す。エネルギーを持った水素は水素イオンとエネルギーを持った電子に分解する。水素イオンはマトリックス内部に排出され、膜の酵素が電子を受け取る。酵素は電子が放出するエネルギーを使って、水素イオンを膜外に運び出し濃度差を作る。水素イオンがもとに戻ろうとする力を利用してATPを合成する。最後に電子は酸素に渡され、水ができる。
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