今号テーマ
わたしたちの中の「わたし」
私は一人では生きられません。生きものとして人間として、社会の一員として生きています。その始まりは「あなたと私」。同種の個体が集まるだけでなく、個と個が関わり合い、生きのびてきたのです。個体をそれぞれ記憶し共感する脳の働き、生まれて最初の他者である母親とのつながり、アリをモデルにした個と集団の行動の研究から考えます。中村桂子名誉館長とのトークは分身ロボットで孤独を解消する吉藤オリィさん、サイエンティストライブラリーは生命をコンピュータにモデル化する金久實先生。共通するのは、人が自ら参加し紡ぐ理解は、AIに勝ること。「私たち」がつないだ生命の知恵です。


AIじゃないロボット
“今”に生きるためのテクノロジーRESEARCH & PERSPECTIVE わたしたちの中の
「わたし」 <生きものに見る社会性>
集団をつくる生きものは、バクテリアから霊長類までのさまざまな生物グループに見られます。同種の個の集団から、関わりを通してさまざまな生き方を生むのが社会です。生物社会の中の「わたし」はどんな特徴をもっているのでしょう。

ドードー
16世紀大海原に乗り出した人類は、新たな地を発見すると我がものとして、そこに適応した生きものを滅ぼすこともありました。ハトの仲間の飛ばない鳥のドードーは、インド洋のモーリシャス島の固有種で、最初に記載され目撃記録が途絶えるまで80年ほど。名前は知られていますが、その姿を見た人はほとんどいないのです。人の手によって生息場所が奪われ、消えていく生きものは今も後を絶ちません。
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