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研究館より

表現スタッフ日記

2020.08.03

日常と研究をつなぐ庭

展示「Ω食草園」をご存知ですか?

BRHの4階屋上にある、12平方メートルの小さな庭です。私たちスタッフは、ここにある四季折々の植物に水をあげたり植え替えたり、お世話をするだけ。野生のチョウが、この植物たちに食事や産卵の場を求めてやってきます。飼っているわけではないので、チョウの訪れを見た時はとてもうれしいのです。

BRHの「チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ」では、母チョウが、幼虫が食べる植物(食草)を選んで産卵するという行動に注目して、食草選択のしくみや、チョウと食草の関係を進化の視点から調べています。

私は、来館者としてはじめてBRHを訪れた時、食草園を見てラボの研究を知り、誰にも身近な庭と最先端の科学がつながる展示というコンセプトにワクワクしました。その思いが原動力となり、表現セクターではたらきはじめ、さまざまな仕事をしてきましたが、今、このワクワクを新しい展示制作につなげたいという思いを強めています。

2週間ほど前、「チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ」が、日本にいるチョウとその食草について、食性の関係を検索できるデータベース(日本語)を公開しました。学術用語を使わず、動的に変わるネットワーク図として検索できるので、誰でも感覚的に操作できます。畑にモンシロチョウがよく来るけれど、幼虫は何を食べるの? 庭のミカンの木はチョウの食草なのかな? という問いから、食草じゃない葉にナミアゲハの幼虫がいたのはなぜ? チョウと食草は共進化しているの? という専門的な問いまで、それぞれの疑問や関心に応じて使うことができます。

データベースは作ってからがスタート。使ってこそ価値のあるものになります。このデータベースをもとに、食草のことをまったく知らない人から、高校の生物部の学生や昆虫採集家、そして研究者までもが、自分の問いを調べてみたいと思うような食草園のWEBコンテンツをつくりたいのです。そしてそれを、私たちに身近な庭や公園、道端の景色という日常と、生命誌研究がつながる場にしたいと考えています。

食草園の新企画。あたためすぎて既に数年経ってしまいましたが、年内に企画する!という目標を掲げて残り5ヶ月を過ごそうと思います。

※「チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ」尾崎室長のラボ日記もぜひご覧ください。