1. トップ
  2. 語り合う
  3. 研究館より
  4. 生物を研究する上で、数学や物理学の知識は重要

研究館より

ラボ日記

2024.04.16

生物を研究する上で、数学や物理学の知識は重要

春が来ました。J T生命誌研究館とJ T医薬総合研究所の敷地内の桜の花も、4月初旬に満開を迎え咲いていました。虫や鳥など多くの生物が活発に活動を開始しています。もちろん、クモたちも春を迎え活発に活動を始めています。敷地内では、ハグモやサラグモが顔を見せ始めました。

春は、入学や進級の季節です。入学や進級された高校生の中には、今後の進路を理系にするか文系にするか、また理系でも物理学を選択するか、生物学を選択するか悩んでいるかもしれません。そして、もしかしたら生物学を選択することがあると思います。ただ、物理学を選択しなかったから、今後物理学と付き合う事がないかといったらそうではありません。むしろ、生物学の研究では、物理学や数学の知識が役立つ場面が多くあります。生物学の研究をしていると、生物の測定から得られる多くのデータなど、数値を扱う場面が多くあります。その数値から考えられる結果を求めるためには数学や物理学は切り離せず、その知識を使わないと日々の研究が進みません。簡単なことでは、例えば、実験に使う溶液の濃度の計算、実験で得たデータの統計的な処理、実験装置で動いている光学や力学的な仕組みなど、行っている研究に関連する数学や物理学の知識を知っている事は研究の役に立ちます。実際に、私が構築したクモの胚発生の数理モデルは、数学と物理学の知識があることで構築することができました。また、やはり科学研究として客観的に結果を示すには、数値を示し数学や物理学に基づく法則で説明することが重要です。その時に、数学や物理学の知識を豊富に持っておくと助かります。願うならば、これから生物学を選択する高校生などの若い方には、物理学が苦手だからという消極的な理由で生物学を選ぶのではなく、物理学も得意だけど生物が好きだという理由で生物学を選び、生物学の研究の世界に飛び込んでいただけることを陰ながら応援しています。

藤原基洋 (奨励研究員)

所属: 細胞・発生・進化研究室

生物の形作りにおける物理背景、特に力学に興味があります。力学を基にした数理モデルを構築し、コンピュータ上でクモ胚の形態形成を再現することで、生物の形作りのルールを見つける研究を行っています。