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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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よろしくお願いします

2014年4月15日

初めまして、この4月から橋下研究室の奨励研究員として着任しました、原田綾乃です。こちらに引っ越してきて二週間程が経ち、ようやく自宅と研究館の往復や自宅近くの地理が大まかに分かってきたところです。少し違う道を使ったり、新しい場所へ向かう時には、まだまだ時間がかかってしまいます。方向感覚に乏しい私にとっては道を覚えるのは一苦労ですが、色々な所へ出かけて行き一日でも早く新しい生活に慣れたいと思っています。

私はこれまで発生生物学の分野で研究を行ってきました。アフリカツメガエル胚の解離した胚細胞を用いて、胚細胞はどのように互いを認識し、胚葉を構築できるのかということに注目してきました。解離された胚細胞は再集合し、その中で同じ由来の胚細胞が集合体を形成し、さらに配置を決定した後に再び組織を構築していきます。由来の異なる胚葉細胞が互いを選別し、再び形を作るという現象は非常に興味深いものです。

私は幼い頃から生き物を育てることが好きで、育った環境も自然に恵まれていたため、様々な生き物を捕まえてきては、飼育ケースで飼い観察していたのを覚えています。卵から孵化し、幼虫が蛹になり、そしてある朝ケースの中には、前の晩までの姿からは全く想像できない綺麗な蝶が羽をゆっくりと広げており、外へ放してやると優雅に飛んで行ったあの時の感動は、今でもはっきりと覚えています。幼ながらに「卵からかえった幼虫はどうやってきれいな蝶になるのかな」と、ダイナミックに形を変化させていく生き物たちがその頃の私にとっては不思議で仕方がありませんでした。この疑問が今の私の原点となっているのかもしれません。

新しい環境の中で分からない事も多いですが、一つずつ自分の物にしていくことで自分らしい研究ができるよう成長していきたいと思っています。そして、何よりもこの新しい環境を楽しみたいと思います。よろしくお願いします。

[ カエルとイモリのかたち作りを探るラボ 原田綾乃 ]

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