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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【愛づる対談】

北地直子
 今年度、生命誌ジャーナルのトークを担当しています。これまで「愛づる」をテーマに3人の先生と中村館長との対談を聞かせていただきました。先生方お一人お一人が持つ、鋭く強い思い入れと暖かい人間性が垣間見れる、確信に満ちたご発言には何度も目から鱗がとれる思いがしました。まさにさまざまな本質を教えていただき、考え方、ものの見方が確実に変化しました。

第1回目、ロシア帽がお似合いだった今道友信先生。「せいぜい科学」には完全にノックアウト。自分の「視覚のような感覚に頼って」捉えていた今までの世界などもうちゃんちゃらおかしく、無音の暗闇で見えるものこそ本質!という修行僧のような境地に行けました。
2回目、岡田節人先生。花を見ればエロス…「スケベや」、鳥を見れば幻の細胞…「キレイや」。エロスもロマンも岡田先生にかかれば、文句なしに「カッコええやないですか」。あの独特の喋り口調をけずるのが惜しくて、編集には苦労しました。
3回目、佐々木丞平先生。学生の頃、美術史学会の手伝いで先生の隣でチーンとベルを鳴らしたことがある。たった数十分。それだけの相席で、退席際に「ご苦労様でした」と御挨拶を下さった事が妙に忘れられない先生と再会できて感激。仕事柄、私は応挙の標本的な写生に興味が片寄りがちですが、改めて絵画の意味を問われたようで、美術史の広さと本意を再確認しました。

そして、中村館長。何よりも「生命誌がわかる」対談だと思います。広々とした知の海の航海は、万物愛づる艦長と共に。

愛づる対談最終回は、12/1に収録。複雑…なお話です。
皆様もどうぞお楽しみに。



[北地直子]

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