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みんなの広場

生命誌について

2020.12.14

動く遺伝子

ミッキー

東京自由大学で、中村桂子名誉館長のお話、「ウイルスとは何か」を拝聴いたしました。
今考えられている遺伝子像を語る時「遺伝子は動きたがっている」という姿が見えてくる。その典型的なものがウイルスである。というお話に先ず驚きました。染色体内を動く転移因子、バクテリア細胞間を移動するプラスミド、そして、遺伝子がタンパク質の殻を被り細胞の外を動き回るウイルスに至るお話で、私の遺伝子像は大きく膨らみました。「ウイルスゲノム」については、一本鎖と二本鎖の、RNAとDNAの組み合わせが4通り全て存在すること。そしてRNAをDNAへと転写する「逆転写酵素」を持つウイルスが存在することに驚きました。ウイルスの世界はとんでもなく多様で巧みだと思いました。その他、アポロ計画後、ヒトゲノム解析プロジェクトに至るお話は、当時の社会情勢を交えて本当に面白かったです。
引き続き、「感染症をめぐって」を拝聴させていただきました。中でも、薬剤耐性菌が生まれた後、そのプラスミドが他の菌に移動して短期間で多剤耐性菌が生まれたことを知り、転じて「遺伝子は動きたがっている」のだということが感覚的に理解出来ました。また、ヒトメタゲノムやマイクロバイオームという概念は、私たちを含む全ての動植物が細菌と共存・共生していること。そして、その陰には必ずウイルスがいること。生物界とはそういうものだという認識を教えてくれました。
お元気そうな中村桂子先生のお話を伺い、楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

2020.12.14

1. 中村桂子(名誉館長)

ウイルスの話聞いて下さってありがとうございます。伝えたかったことを的確に捉えていただき嬉しいです。ウイルスと闘うというのは適切な言い方ではなく、ウイルスの存在を前提に、パンデミックなどなるべく起こさないように、起きてしまったら迅速に対処するようにというのが生きものとしての生き方だと思います。今はそれが出来ていませんね。生命誌として発信しなければなりませんのでご協力お願いします。

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