その他
2022.10.29
ナミアゲハの蛹化失敗について
ムイムイ
この夏、4匹のナミアゲハの幼虫を育てました。2匹は順調に育ち、蝶になって旅立って行きましたが、あとの2匹は蛹化に失敗して、残念ながら死んでしまいました。
死んでしまった2匹は、5齢幼虫の期間が3週間もあり、前蛹になる前に少し湿ったフンをしたものの、いわゆる水様便はありませんでした。
1匹は蛹化を始めたものの皮に割れ目ができず、しばらく頑張っていましたが力尽きてしまい、もう1匹は皮に割れ目ができて頭が少し出てきたのですが、やはり途中で力尽きて蛹化できませんでした。
5齢幼虫の期間の長さや水様便がなかったことは蛹化の失敗と関係があるのでしょうか?(飼い始めた時は2齢ぐらいでした)
2022.10.29
1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
幼虫が脱皮に失敗して死んでしまうことは比較的よく観察される現象ですが、原因まではわからないというのが正直なところです。
蛹化は、幼若ホルモンが減少した状態で脱皮ホルモンが分泌されることで起こります。蛹化時の行動の基本的なパターンは、
1 液状の糞を出しておなかの中を空っぽにする
2 数メートル歩いて蛹化場所を見つける
3 糸を吐いて蛹化のための足場と支えの輪っかを作る
4 糸の輪をくぐって前蛹になる
5 内部から外皮に圧力をかけて脱皮して蛹になる
となります。
ここからは個人的な印象でしかないのですが、蛹化の脱皮で失敗する原因は下記のどれかではないかと考えています。
・脱皮ホルモンが分泌されるまでに、何らかの理由で充分な餌を食べていなかった
・周囲の湿度が低かったため、脱皮しきる前に体が固まり始めてしまった
・若齢期に負荷の高いストレスを経験したことで、発育に悪影響が残ってしまった
幼虫で過ごす期間については、変温動物なので有効積算温度によって決まります。充分な量の餌を食べていてもいなくても、一定の温度の積算を経験すると発育ステージが進みます。一般的に、オスは先に蛹化してメスが数日遅れる傾向が見られます。
終齢幼虫の期間が3週間というのは、夏場としては長すぎるので、何か異常があったのかもしれないですね。
明確な回答になっておらず、申し訳ないです。
2022.10.31
2. ムイムイ
お返事ありがとうございます。生き物を育てるというのは、やはり難しいですね。大事に育てたつもりですが、餌やりのタイミングなどでストレスがかかっていたのかもしれません。今年の最後と思って育てていた一匹は今日無事蛹になりました。大切に見守りたいと思います。
2024.05.15
3. キャタピー
こんにちは。突然のコメント失礼致します。アゲハ蝶の蛹化について教えてください。今、小学生の息子がオーストラリアでorchard swallowtailという蝶の幼虫を見つけて育てています。昨日の夜幼虫から蛹になっていた様でしたが、今朝見ると上半身が残ったまま(頭や脚が残った状態)で固まっていて動きません。もう死んでしまっているのでしょうか?それとももしまだ生きているなら何か手伝えることはありますか?私の住んでる地域は今秋で気温は昼間は24度、夜は15度くらいです。ここ数日雨が続きました。よろしくお願いいたします。
2024.05.15
4. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
残念ながら、脱皮に失敗したのではないかと思います。
幼虫が脱皮をする時は、頭部と胸部の境目の背面側に、体液を集めて内部から圧力をかけて表皮を破ります。
稀にうまくその部分を破れない個体がいるのですが、それでもその後の脱皮に関する現象は発育プログラム通りに進行が継続しますので、そのまま死んでしまうことがあります。
飼育環境下では、湿度が低いと脱皮に失敗するケースが増えますが、雨が続いていたのでしたら原因は別のところにありそうですね。
2024.05.16
5. キャタピー
お返事ありがとうございます。頭と脚を残したまま動かなくなって息子が数日観察していたところ、微かに胸元が動いていることに気付きました。湿度や気温に気を付けながら、もう少し観察してみようと思います。ありがとうございました。
2024.08.20
6. うらん
はじめまして
アゲハ蝶の幼虫が下痢をしないまま蛹になろうとしています。
このような場合は蝶になれるのでしょうか
宜しくお願い致します。
2024.08.20
7. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
実験用に飼育している幼虫たちも稀に、下痢をしたのかしていないのかわからないまま蛹になっている個体が観察されます。下痢をしていないのか、していたことに気が付かなかっただけなのかは、確かめたことがないのでわからないというのが正直なところです。
無事に蛹になれるかどうか、見守ってあげてください。
2024.08.21
8. うらん
お返事有難う御座います。見守ってみます。
2024.08.23
9. シェリー
庭でキアゲハ幼虫を見つけ、庭に農農薬を撒いてるので保護しました・乾いたベンはしてるのですが、ほとんど動きなし!サナギになるために動かないのか?だが、ベンは、黒いつぶで下痢はありません!保護して二日目です
2024.08.23
10. すろっぴー
お世話になります
教えて頂きたいことがあります
買ってきた野菜についてたイモムシを育てていて、小さくて細い赤ちゃんだったのがモリモリ食べて大きくなり、一度脱皮をしてその翌日はモリモリ食べていたのですが、さらに翌日になったら動きが止まりいっさい食べなくなり、元気もなくてかすかにお尻の方だけ動かして体から水分を出してる状態なのですが、初めてなのでどうしてあげたらいいのか悩んでおります。水様性のフンや容器を歩き回るというのはなかったです。よろしくお願い致します
2024.08.23
11. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
おそらく、薬剤の影響ではないかと思います。
スーパー等で市販されている野菜の多くは、殺虫剤や昆虫のホルモンに影響を与える薬剤などが付着しているため、幼虫の餌として適さないことが多いです。最初に食べていた野菜の薬剤に対する耐性を持った幼虫だったとしても、別の日に購入した生産者が異なる野菜には別の薬剤が付着している可能性があり、耐えられないということもよく起こります。
2024.08.24
12. すろっぴー
お忙しい中、返信ありがとうございます。何も食べなくなって4日目ですが、食べてなくても毎日黒いフンを1・2個しています。そして体から水分を出して全体がビチャっとした状態なのですが、もう助からないのでしょうか。
2024.08.24
13. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
何も食べずに動かない期間が1〜2日であれば、脱皮前の眠(みん)という状態の可能性もありますが、4日経過しているとなると違う可能性が高いと思います。眠の場合はフンもしません。
全体が濡れたような状態になっているというのも、残念ながら健康な状態ではなさそうに思われます。
2024.08.30
14. すろっぴー
お忙しい中、ご返信ありがとうございました。これから先どのような状態になるか分かりませんが、最後まで見守ろうと思います。ありがとうございました
2024.08.30
15. ふぅた
初めまして、こんにちは!
コメント失礼いたします。
キアゲハ蝶の幼虫を飼育しております。
昨夜まで4匹元気にしておりましたが
今朝、1匹はアンモナイトのように丸まってゼリエースのような緑色のフンがお尻に付いたままで弱っております。
他の3匹もしぼんでしまい、瀕死状態です。
エサは庭のパセリが壊滅状態だったので、代替えで市販のみつ葉を与えてしまいました。
農薬が原因だったのでしょうか?
昨夜の雷雨、湿度が原因だったのでしょうか?
日光にあてたところ少し動きましたが
また動かなくなって瀕死?状態です。
復活させる方法はありますか?
何日か前にキアゲハ蝶
4頭羽化できたので、また羽化させてあげたいです。
よろしくお願いいたします。
2024.08.30
16. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
>ふぅたさま
これは原因が二つ考えられると思います。
市販のミツバを食べさせたとのことですので、落としきれていなかった殺虫剤の影響があった可能性が高いです。この場合、残念ながら治療のようなことはできませんので、見守るのみになります。
もう一つの可能性として、セリ科植物でどちらも食草ではあるものの、途中から変更することができない場合があります。パセリはオランダゼリ属、ミツバはミツバ属ですので、防御物質(毒成分)に若干の違いがあって、その影響があったのかもしれません。この場合も、治療のようなことは残念ながらできません。
2024.08.30
17. ゆみこ
畑からキアゲハの幼虫を捕まえて持ち帰り すぐに脱皮しました
しかし 脱皮した皮を食べず、枝につくのも失敗しました。悲しいです
羽化しないでしょうか 教えてください
2024.08.30
18. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
>ゆみこさま
脱皮したというのは、前蛹・蛹になったという意味でしょうか。
蛹は飼育容器の底に転がしておいても羽化することは可能です。
できれば、腹部側を下にして置き、脚の爪が引っかかりやすいように紙を底面と壁面に用意してあげると羽化に成功しやすいです。
2024.08.30
19. すみれ
孫と一緒にアゲハの幼虫を育て、今季3匹が羽化し、美しいナミアゲハになる様子を見届ける事が出来ました。後1匹いるのですが、終齢幼虫になって10日以上たちますが蛹になりません。この1匹は自宅の小さな山椒の木にいるのを見つけ、葉もほとんどなくなっていたので、家でレモンの葉で育てていた幼虫の飼育ケースに入れてあげました。しばらくするとレモンの葉も食べている様子で安心していたのですが、ここ数日は葉を食べている様子がなく、糞も2.3ケ転がっているだけで体も小さいです。そして今は、見る度に飼育ケースの壁や蓋にくっついていますが、他の幼虫の様に蛹化する様には見えません。この幼虫はこのままどうなるのでしょうか?
やはり山椒の木からレモンに移した事で、エサが充分に取れず成長できなかったのでしょうか?
2024.08.30
20. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
>すみれさま
ミカン科植物であっても、属をまたいで餌を変更できない例はよく耳にします。
餌を変更しても問題なく育つこともあるのですが、変更がうまくいかないことが多いようです。
餌の変更がなくても、終齢幼虫ですごく期間が長くなる個体が稀に存在します。当研究室では人工飼料で飼育していて、年間を通じて餌の条件は同じですが、兄弟・姉妹間でも蛹化時期には個体差が見られます。
のんびりさんなのかもしれませんので、しばらく見守っていただければと思います。