1. トップ
  2. 語り合う
  3. みんなの広場
  4. 猛暑でナミアゲハのさなぎがミイラに

みんなの広場

その他

2023.08.23

猛暑でナミアゲハのさなぎがミイラに

るりいろ

小学生の子どもがナミアゲハの自由研究をしており、ふたつ、教えていただけないでしょうか。今年の7月は38度を超える日が何度もあり、さなぎになった3匹のナミアゲハが全て乾燥して羽化せずミイラのようになってしまいました。同様の事例はお聞きになっていますか?さなぎになった場所は直射日光はあまり当たらないものの、ほぼ日なたでした。

猛暑のなかで終齢幼虫まで生きていられたのは、葉っぱの下に隠れて日差しを避けたり、葉っぱの蒸散のおかげでしょうか?

よろしくお願いいたします。

2023.08.25

1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

観察していたチョウが羽化できなかったのは残念でしたね。

気象庁が発表する「気温」は、日陰で風通しが良い場所の温度ですので、日が当たる場所はそれよりもだいぶ暑くなっていたと思われます。蛹は幼虫や成虫に比べて暑さに強いとされていますが、それでも昆虫はあまり暑さに強くない生き物ですので、日当たりが良い場所の暑さは蛹で死んでしまって羽化できなかった原因になっていたことが疑われます。ちなみに、アゲハチョウなどの昆虫にとって最適な環境は、25℃で湿度60%です。

猛暑の中で幼虫が蛹になるまで育つことができた理由は、日陰をうまく使ったことや、風通しなども影響していたのではないかと思われます。植物が密集する場所でしたら、蒸散による加湿も良い影響を与えた可能性が考えられます。

猛暑の中での昆虫観察は熱中症の危険がありますが、「熱中症の危険がある」と判断される環境は昆虫たちにとっても過酷だと言えます。

以上、ご参考になりしましたら幸いです。

2023.08.31

2. るりいろ

丁寧なお返事をありがとうございます。とても勉強になりました。

さらにお聞きできると嬉しいのですが、今朝、次の世代の終齢幼虫が蛹になったのですが、食樹の枝にくっついていました。7月に蛹になった3匹と、8月に蛹になった1匹は食樹の植木鉢にさしてある支柱で蛹になりました。いつもなら終齢幼虫は植木鉢から出て近くの茂みや家の壁など別の場所で蛹になっています。

終齢幼虫の移動距離が短いのは、猛暑で体が乾燥するのを避けるためでしょうか?

また、いただいたお返事を、子どもの自由研究のなかで尾崎様からのコメントとして載せさせていただいても大丈夫でしょうか?

差し出がましいお願いで恐縮ですが、お返事いただけましたら幸いです。

2023.08.31

3. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

あまり移動しないで蛹になったことに、猛暑が影響したのかについては解らないです。
ご存知の通り、チョウとガの仲間の多くが蛹になる直前に数メートル歩き回るとされていますが、飼育しているという特殊な環境では変な行動する個体がときどき観察されまして、下痢状の糞をした後にほとんど移動しないで蛹になっているものも希にいます。快適な環境のはずの飼育室でもそのような個体がおりますので、原因については不明としかいいようがありません。
強いていえば、周囲の環境や餌の状態の影響を受けて、脱皮ホルモンが分泌されるタイミングが変化してしまったのかな?と想像しますが、この想像に根拠はほとんどありません。
このような「問い」を持ちながら観察を続けて頂くと、新しい発見に繋がるかもしれないですね。
コメントについても是非掲載してください。自由研究のお役に立てて光栄です。

2023.09.01

4. るりいろ

お返事をありがとうございます。身近に詳しい人がいないので、研究されている方から詳しくお話を伺えて嬉しかったです。

時に簡単に受け流してしまいがちですが、子どもからの「問い」は大事にしていきたいと思います。

2023.09.27

5. ダンシヤリ男

自宅のフェンスに留まっているナミアゲハの幼虫を見つけ、蛹になってから2週間が経過。今日辺り羽化するのではないかと思っていましたが、兆候がありません。この猛暑で亡くなってしまったのかもしれません。羽化を楽しみにしていたのですが、そうだとしたら残念です。虫たちにとっても生きづらくなってるかと思うと悲しくなります。

2023.09.27

6. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

蛹が暑さに負けて乾燥で死んでしまっている場合、ちょっと触ってみると、いかにも中身がないと感じる軽さでプラスチック的な堅さになっていると思います。サイズ感に見合った重さを感じるようでしたら、生きている可能性があります。
生きている場合は、時期的にはまだ早いですが、休眠といって越冬の態勢に入っている可能性もありますので、来年の春まで見守っていたら羽化するかもしれません。
ナミアゲハでは珍しいと思いますが、キアゲハの場合は夏の暑さに耐えるための「夏休眠」を行うことが知られていますので、夏休眠の可能性もあると思います。夏休眠の場合は、いつ頃羽化するのか予想するのは難しいです。

2024.04.03

7. ねぎ

こちらに質問して良いのかわかりませんが、ナミアゲハの蛹の事で質問があります。

水に濡れた蛹は殻が硬くなりますか?
紙なら濡れて乾いた後は強度が上がるように思います。
蛹も紙のように一度濡らした後は強くなって羽化する時に中から割れないのではないかと心配しています。

昨年の越冬蛹が4匹います。
引っ越しのため、くっ付いていた蛹を剥がしてビニール袋に入れて持ってきました。
その後、木にぶら下げていたところ雨水がビニール袋に溜まり蛹が濡れるどころか、雨水を吸って1.5倍ほど大きくなっていました。
しばらく乾かせていたら3匹は動きましたので生きていると思います。
最近暖かくなってきたのでそろそろ羽化するのではないかと思いますが、そんな蛹の殻を自分の力で破って出て来れるんでしょうか。

2024.04.03

8. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

蛹が水に濡れたことによって、羽化に影響があるかについては、直接の情報は持ち合わせておりません。
ただ、野外にいる蛹は雨で濡れることもありますし、雪国では長期間にわたって雪の中に埋もれることもあります。それでも問題なく羽化して世代を繋いていますので、おそらく濡れたことによる影響はあまりないだろうと推測します。

カマキリの研究例ではありますが、卵を長期間水に浸しておいても孵化率に全く影響がなかったとされていますので、昆虫たちは、動けないステージ(卵や蛹)では水没に耐える仕組みを持っているのではないかと思います。

無事に羽化したことを観察されましたら、情報をお寄せいただけるとありがたいです。

2024.04.05

9. ねぎ

尾崎先生
ご回答ありがとうございます。
その後の報告です。

水没サナギたち、羽化しました!
でも残念ながら4つのうち2つはダメでした。

1つは羽化の日が雨でしばらくベランダにおり、翌日見るといなくなっていたので飛び立ったと安堵しましたが、その翌日に死んでいたのが見つかりました。
両方の羽がしっかりあったので安心してたのですが。

もう1つは全く動かなかったサナギが羽化していてビックリしました。
捨てないで良かったです。
この子も雨の日に羽化し、小さかったですが両方の羽もあったので今度こそ飛んで欲しい気持ちで、ポカリスエットを薄めてコットンに浸し与えてみました。翌朝もまだいたのでポカリを与えました。飲んでくれたかは不明ですが。
お昼にはいなくなっていて今度は無事に飛んで行ったようでした。
ベランダに出た時に6階の我が家付近にアゲハ蝶が飛んでいました。あの子が姿を見せに来てくれたように思います。笑

残りの2つはサナギの時は動いていて、羽が透けるまでになり楽しみにしていましたが、出てきませんでした。
水没させた事が原因で何か負担が掛かったのかと思います。申し訳ない気持ちです。
出てこなかったサナギは、羽が透けて見えてるようになってから3日程経ちます。もしかしたら出てくるかもしれないので、もう少しこのまま様子を見てみます。

完全に水没させても羽化が出来ない事もないようですが、なるべくそんな事にならないように気をつけたいです。

ありがとうございました。

2024.04.05

10. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

無事に羽化した個体もいたとのお知らせをいただき、ほっこりしました。

知識としては知っていても、実際には観察したことがなかったことでしたので、観察結果を共有していただけたことを嬉しく思います。

昆虫たちのおもしろ現象を観察されましたら、またぜひお知らせください。

コメントする

お名前(ニックネーム可)
メールアドレス
コメント
アイコン
  • 入力いただいた情報は自動で掲載されません。
    当館の担当者が内容を確認の上、後日掲載させていただきます。
    掲載の折にはメールでご連絡いたします。
  • 内容によっては掲載されない場合があります。
  • メールアドレスは上記以外の目的に使用いたしません。