その他
2025.07.05
蛹化トラブルについて質問です
チョコパイ
はじめまして
ナミアゲハの飼育に挑戦しています
こちらの掲示板にはお仲間がたくさんいらして、先生のご回答も細やかで、よく拝見させていただいております
先日1匹が無事に蛹化、先ほど2匹目が蛹化する瞬間を運良く見ることができました
しかし、頭部の皮が残ってしまい、蛹の上に乗っかっています
2時間ほどしてから湿らせた筆でなでてみましたが取れませんでした
ネットで検索すると、頭部の皮が残るせいで、羽化しても、頭部のないストローのない状態になるのではとの情報があり、無事に羽化してもらう手立てはあるのだろうか…と調べています
研究室ではこれまでの飼育例で、同様のご経験がおありでしょうか?
その際はどのように対処なさったか、教えていただけますと幸いです
2025.07.09
1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
脱皮後に表皮が残っている状態をご心配なさっているとのこと、お察しいたします。
幼虫も時々、お尻周辺に表皮が残ることがあり、そのままにするとフンを出せずに死んでしまう場合があります。脱皮後の表皮が柔らかいうちに、ピンセットなどで剥がしてあげると問題なく育つことが多いです。
前蛹が脱皮して蛹になる際に、途中で力尽きて前半部だけ蛹になりかけて死んでしまう個体が時々いますが、頭部の表皮が残るのは珍しいという印象です。頭部のすぐ後ろの胸部を膨らませて古い表皮を破りますので、頭部付近は最初に脱いでしまう場所になります。
蛹の場合も、残っている幼虫の表皮はピンセットで取り除くのが簡単です。おそらく、残っている幼虫表皮の下で蛹の表皮ができていると思います。幼虫頭部の表皮が残っていても、蛹から成虫が脱皮する際に特に問題ないとは思いますが、脱皮の邪魔をしないように取り除いた方が安心かなぁと思います。
2025.07.12
2. チョコパイ
尾崎先生、返信をありがとうございました
無事に成虫になる可能性があるとのこと、嬉しく思いました!
残った皮は、ピンセットでは剥がれず、蛹がクネクネ動くので、なんとなくかわいそうでそっとしておくことにしました。硬くなって蛹にくっついているように見えます
皮が柔らかいうちにやってあげればよかったです
今後に活かします!
2025.07.19
3. チョコパイ
尾崎先生
先日は返信をありがとうございました
残念な報告になってしまいますが…
夕方に帰宅したら、綺麗な羽の蝶が羽化して羽ばたいていましたが…頭部は幼虫時の皮がついたままで、触覚やストローもない状態でした。かわいそうなことをしました…
今後は柔らかいうちに、手を施そうと思います
どうしたら良いのかわからなかったときに、アドバイスをいただけたこと自体が助けになりました。ありがとうございました!
2025.07.19
4. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
それは残念な結果になってしまいましたね。
個人的に、頭部が幼虫のまま成虫になったという現象は見たことがないので、とても珍しい出来事なのだと思います。
2025.07.19
5. Frison27
こんにちは。毎年数多くのアゲハの羽化に成功しています。最近起こった奇妙な羽化について質問させて頂きます。 今年も既に5匹が羽化に成功してうますが、蛹になった内の一匹がら灰色の蜘蛛(体調2.5㎝程度)が出てきた様子です。羽化の瞬間を見ていた訳ではありませんが、空になった蛹の殻の開き方が明らかに通常と異なり、三角形の出口が開いておらず、こじ開けた様な穴があいています。近くにアゲハとは違う脱皮したような皮と糞の跡のような白いシミがあり、蛹の近くに蜘蛛が潜んでおりました。寄生されたいた可能性もあると考え、調べてみましたが、寄生蜂の情報はあっても蜘蛛の寄生はありあせん。知見をお知らせ頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。蜘蛛は既に外に逃がしております。
2025.07.19
6. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
>Frison27 さま
クモについては専門外ですので回答にはならないかと思いますが、私が知る限りでは、クモは動かないものには反応しないのではないでしょうか。蝶の蛹を食べる蜘蛛が、もしかしたら存在するのかもしれないのですが、残念ながら私にはその知見がありません。
2025.07.19
7. もん
はじめまして。
我が家でも今朝まさにその状態の蛹ができてしまい、色々ネットで調べている中でこちらに辿り着きました。
今までトータルで20年近くアゲハの幼虫から羽化までを見てきていて、羽化の失敗は少なからず経験ありますが、蛹化で幼虫の頭が残るのは初めてです。昨日夕方前蛹の状態で異常なほど身体を振っていたのは、殻が取れなかったからなのかな…
もしまたこのようなことがあった場合には、ピンセットや筆などを試してみようと思います。
まずは羽化できることを願っています。
2025.07.19
8. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
>もん さま
私も実験用に20年以上アゲハチョウを飼育していますが、まだこの現象は観察したことがありません。
とても稀な現象なのではないかと思うのですが、複数の方から立て続けにご報告があるということは、私が知らなかっただけで観察されることがある現象なのかもしれませんね。
貴重なご報告ありがとうございました。
2025.10.21
9. こち
はじめまして。
我が家の蛹についてご相談いたします。
今回初めてアゲハチョウの幼虫を育てております。
1匹が先週前蛹になったのですが、ケージの蓋におり、他の幼虫の世話のために開けたところ、糸が外れかけてしまいました。そこで、ネットで調べた蛹ポケットをティッシュで作り入れていたところ、蛹になったのですが、ポケットの底にいる為、脱皮出来たか心配になり、4日ほど経った本日、そっとティッシュを剥がして様子を見ました。
すると、お腹からお尻にかけて焦げ茶色の皮が残っており、他の蛹に比べて丸まった状態になっていました。ピンセットで取ろうとしましたが、固まって取れません(取ろうとするとお腹がピクピク動きます)。
蛹化は失敗してしまったのでしょうか。
蛹ポケットが狭すぎたのか、そのままペーパーをひいて寝かせておけば良かったのかと悔やんでおります。
そのまま様子を見るしか出来ないでしょうか。
ご教示のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
2025.10.21
10. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
>こちさま
アゲハチョウの幼虫の飼育は初めてのことで、ご不安も大きかったことと思います。
ご相談いただいた蛹の状態ですが、それは脱皮(蛹化)の失敗ではありませんので、ご安心ください。
お腹からお尻についている焦げ茶色の皮は、幼虫(前蛹)の最後の抜け殻です。
本来、蛹になる最後の脱皮の際、体をくねらせて古い皮をお尻の方へ丸め、最終的に下に落とします。
しかし、ご心配されたように、ティッシュで作った蛹ポケットが少し狭かったため、蛹が体をうまく動かせず、抜け殻を下に落としきれなかっただけです。
抜け殻がお尻にくっついたまま固まってしまった状態ですね。
他の蛹と比べて丸まって見えるのも、ポケットの底でその体勢のまま固まったためで、蛹の成育自体に問題はありません。
(ピンセットで触れたときにピクピク動くのは、蛹が生きている元気な証拠です。)
そのままで全く問題ありません。
固まってしまった抜け殻を今から無理に取ろうとすると、かえって蛹本体を傷つけてしまう危険がありますので、そのまま見守ってあげてください。
その皮がついたままでも、羽化(蝶になること)には影響ありません。
ちなみに、今回のように前蛹の糸が外れて落ちてしまった場合は、蛹ポケットを作らなくても、ティッシュやキッチンペーパーなどを敷いたケースの底に、そのまま転がしておくだけで大丈夫です。
幼虫はちゃんとその場所で蛹になることができます。
蛹化は成功していますので、どうぞご安心ください。
2025.10.21
11. こち
尾崎先生
迅速かつ丁寧なご回答をありがとうございます。
ずっとどうしよう…と悩んでいたので、蛹化失敗ではないとのこと、大変安心いたしました。このままでも成虫になることが出来そうで本当に良かったです!
今後のアドバイスもいただき、誠にありがとうございます。
実は蛹ポケットを調べていた際に、そのまま底に置いてあげようか、どっちにしようか悩んでいたんです。
今後は底に置いてあげようと思います!
大変勉強になりました。
ありがとうございました。
2025.10.21
12. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
>こちさま
蛹から出るときや、翅を伸ばすためにつかまる場所が必要なので、飼育容器の1面で良いのでティッシュやキッチンペーパーなどを垂らしておいて、足場をつくってあげると良いと思います。
容器の底面に寝かせておいた蛹が羽化するときは、最初に頭部がある先端付近の腹側が割れて、脚が出ます。脚のツメが引っかかるとするするとスムーズに蛹の殻から抜け出すことができますので、腹側を下にしてあげるとより成功率が高まります。
次に、そのまま歩いて翅を伸ばせる場所を探しますので、壁面の紙を登って収まりが良い場所で翅を伸ばします。
この、チョウの行動パターンがスムーズになるように、容器内に紙などを配置するのがコツです。