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2025.08.19

夏休眠について

たくみのりん

はじめまして。
蝶の飼育初心者です。
今年の7月頭に、茨城大洗のキャンプ場で子供が蝶の幼虫を見つけ、埼玉の自宅で飼ってみることしました。蝶の種類は、ミカドアゲハのようでしたが、ミカドアゲハは九州や本州南部に分布しているとの事で、アオスジアゲハなのかもしれません。

自宅に持ち帰った後、庭にレモンの木があったので、レモンの枝木を水に差して置いておくと、翌日には前蛹→蛹になりました。
しかし、1ヶ月半経過した今も、羽化しません。蛹の色は鮮やかな緑で、どこも特に変色が無いのですが、さすっても動きはありません。こちらで、死んでいたら軽いプラスチックのような質感になる、と書かれているのを読んだのですが、初心者過ぎて、少し判断が難しく…。プラスチックのように表面が固かったのですが、重さはあるのような気がします。

もし生きているとしたら、夏休眠というものなのでしょうか?家に持ち帰ってからは、直射日光が当たらない室内に置いていました。

また、過去のご意見を拝読しまして、越冬の為の休眠の場合、冷蔵庫に入れるか、日光の当たらない屋外に一冬置いておく事をお勧めされていらっしゃいましたが、夏休眠の場合は、どのような環境下でいつ頃まで見守れば良いでしょうか?

子供に蝶への成長過程を見せたくて、羽化を楽しみにしていましたが、埋めてあげるか、このまま見守るべきか迷い、ご質問させていただきました。宜しくお願い致します。

2025.08.27

1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

ご心配されている蛹ですが、7月頭から1ヶ月半以上が経過しているのであれば、冬を越すための「休眠」に入った可能性を考えるのが良いと思います。

【夏休眠の可能性は低い】
日本に生息するアゲハチョウの仲間で、蛹の状態で「夏休眠」を行うことがはっきりと確認されているのはキアゲハくらいです。絶対に夏休眠はないとは言えませんが、他の多くのアゲハチョウは夏の間は世代交代を繰り返すのが一般的なため、今回のケースは季節外れの「越冬準備」と考えるのが自然です。

【蝶の種類と通常の蛹の期間】
参考までに、夏の蛹は通常これくらいの期間で羽化します。

ナミアゲハやクロアゲハ
期間: 約10日~2週間
見分け方: 幼虫がレモンの葉を食べていたら、こちらの仲間です。

アオスジアゲハ
期間: 個体差が大きく様々ですが、1ヶ月半は長いです。
見分け方: 幼虫がレモンの葉を食べていなければ、こちらの可能性があります。

当研究室で開発している「イモムシサガシステム」をお試しいただくのも良いかもしれません。
https://butterfly-zukan.com/

【蛹の生死の見分け方】
生きている蛹のサイン
・緑や茶色など、種類ごとの色が鮮やか。
・手に乗せるとしっかりとした重みがある。
・表面は固く、しっかりしている。
(休眠中はあまり動きませんが)たまにお尻を軽くつっつくと、ピクッと動くことがある。

死んでしまった可能性が高いサイン
・色が黒ずんだり、不自然なシミが出てくる。
・持った時に明らかに軽い、中身がスカスカな感じがする。
・柔らかくブヨブヨになっている。
・異臭がする。

【今後の見守り方(最重要)】
どちらの蝶であっても、今後の対応は同じです。

1. 置き場所を変えない
当面は、幼虫を育てていた部屋に置きます。

2. 置き場所を変える
冷房を使う必要がない季節になったら、涼しい場所に置きます。
最も大切なのは、暖房の効いた暖かい室内を避けることです。休眠から覚めるには寒さを経験する必要があるのと、もし冬の途中で羽化してしまうと、外は寒く蜜を吸う花もないため生きていけません。
ベランダや玄関先など、直射日光や雨風が直接当たらない屋外に移し、自然の寒さを経験させてあげてください。蛹は寒さに強いので凍える心配はありません。

3. 春まで待つ
休眠した場合、羽化は来年の春(4月~5月頃)になります。蛹の色が鮮やかで、持った時に中身がスカスカでなければ生きている証拠です。変化がなくても、気長に見守ってあげてください。

お子様には「春になったら出てくるように、今はぐっすり眠っているんだよ」と伝えて、来年の春の羽化を楽しみに待ってみてはいかがでしょうか。

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