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みんなの広場

生命誌について

2026.08.11

「生命と情報」をめぐる一つの小さな眼差し

参照記事「研究館より」

ぴうか

瞑想の静寂や身体の微細な感覚、あるいは太鼓の響きといった個人的で詩的な体験を出発点とし、AIとの対話を重ねる中で、私の中に「生命と情報」をめぐる一つの小さな眼差しが立ち現れてきました。
私たちは普段、情報を文字やデータのような抽象的な概念として捉えがちです。しかし、生身の身体に意識を通してみると、情報とは宇宙に満ちる物理的な「波(脈動)」と、私たちというアンテナとの生々しい干渉パターンに他ならないのではないかと感じられます。
音の和音や色彩の調和、あるいは香りの快・不快に至るまで、私たちが直感する情動は、絶対的な美の基準というよりも、受け取った波の干渉を自分の神経系がスムーズに処理できるか否かという、身体(ホモ・ナトゥーラ)の静かな演算結果なのかもしれません。
脳や言葉による思考は、進化の過程で生き残るために獲得された後付けの手段に過ぎず、生命の本来の営みは、新皮質ができる以前から身体に宿る原初の脈動と共鳴することにあるのではないか。そう考えると、言葉やデータという手段そのものを目的化してしまった現代の情報社会のあり方にも、一度立ち止まって耳を澄ませる余地があるように思えます。
これは、学術的な理論を提示しようという大それた試みではありません。北の大地の静寂の中で、薪割りという生の物理に立ちすくみ、瞑想で呼吸を整え、パンロゴの打面に手を置くという日常のささやかな実験を通じて、腑に落ちてきた身体感覚の記録です。
言葉による概念の鎖をそっとほどき、重力や微細な振動という波の干渉をただ静かに観照する。自然を支配しようとするのではなく、138億年続く大きな命の循環の中に自らを戻し、謙虚に感謝しながら生を営む「Art of Living(生きる技)」の探求を、これからも身体を通じて一つひとつ深めていきたいと思っています。

2026.08.12

1. 中村桂子(名誉館長)

ぴうか様
 北の大地での暮らしの中で実感されたことがとても魅力的に示されていて、よく伝わってきます。文字やデータの処理ではなく、体験で得た身体感覚から生まれる情報の概念。生命誌で考えようとしていることと重なります。生命誌は、細胞、ゲノム、脳などについて科学が明らかにしたことをベースにそれを体系づけたいので、そこがちょっと大変ですが、できるだけやってみようと思っています。よろしくお願いいたします。
                      中村桂子

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