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アーカイブ

季刊「生命誌」は音楽などの文化を最新の科学と同居させ、新しい知の表現を試みる冊子として、開館と同時に創刊しました。
2019年に100号を迎え、記事数は800を越えます。生命誌の本棚を巡る気持ちで自由に記事を行き来してみてください。

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“生命起源”での検索結果を表示しています。(18 件の記事が該当しました)

PERSPECTIVE

ゲノムから見る生命誌の時間

表現を通して生きものを考えるセクター

生命誌は、生命誕生から現在そして未来にむけて続く物語です。ゲノムをもつ細胞である最初の生きものから、あらゆる生きものが生まれました。暮らしの場や周りの生きものとの関わりの中で、もっているゲノムを使い、変化を受け入れ、続いてきた子孫がわたしたちです。ゲノムにはその物語が綴られています。生きもの進化の道のりをゲノムから見ましょう。

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季刊「生命誌」112号生きものの時間2

20世紀後半、細胞の中のDNAが分析できるようになり、生きものの進化をゲノムから読み解ける時代になりました。1993年に開館した研究館は、進化をゲノムから読み解くことを目指して、「生命誌絵巻」をつくりました。生命誌絵巻では、全ての生物が、祖先からたどれば等しく38億年の歴史を背負っていることが大切だと考えました。この考え方に立てばヒトは頂点ではなく、他の生きものと同じ扇の中に入ります。
それから30年、世界的に進んだ分子生物学研究に、化石や地質学的な研究を合わせてみると、真核細胞の誕生や多細胞生物の陸上化、ヒトの出アフリカなどといった出来事は、生命誌の数多くのエポックの中で、私たちにつながったほんの一部であり、それ以外の道をたどった個々の生命の歴史の広がりが見えてきました。生命はまさに、扇の広がりのようにさまざまな生き様を展開する存在なのです。
研究館は、「進化・発生・生態系(Evo-Devo-Eco)」を軸に研究を行ってきました。多細胞生物の進化は、花と昆虫の関係や食う・食われるなど、生態系の中で築かれる関係抜きには語れません。生命誌絵巻には絶滅した生物がほとんど描かれていませんが、今はいない生きものの絶滅や個々の死がある中で形成されたのが、今の生物界であることも重要な観点です。
進化を見つめていると、生きものが、個としては生死を繰り返しながらも全体として続いていくことの意味を改めて考えさせられます。

RESEARCH

分子が関わりあう人工細胞から生命を考える

栗原顕輔

2010年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。同研究科技術補佐員、東京大学複雑生命システム動態研究教育拠点特任研究員を経て、2014年より自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンターおよび分子科学研究所特任准教授、東京大学複雑系生命システム研究センター学外連携研究者。

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RESEARCH

巨大ウイルスから見える新たな生物界の姿

緒方 博之

これまで、ウイルスは生きものではないとされてきた。ところが2003年に、ミミウイルスと呼ばれる巨大ウイルスが同定され、ウイルスの概念が変わった。巨大ウイルスがどのように進化し、生物界でどのような役割を担っているのか。そこから新しい生物界のありようを解明したいと考えている。

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SCIENTIST LIBRARY

統計学から進化と多様性の森に分け入って

長谷川政美

1944年
新潟県生まれ
1966年
東北大学理学部卒業
1970年
名古屋大学大学院退学
東京大学理学部助手(生物化学科)
1975年
統計数理研究所第2研究部研究員
1986年
統計数理研究所予測制御研究系教授
2005年
統計数理研究所予測発見戦略研究センター長
2007年
復旦大学生命科学学院教授
国立遺伝学研究所客員教授
2008年
統計数理研究所ゲノム解析グループ特命教授

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TALK

生きもののルールの探し方

長沼 毅 × 中村桂子

1961年生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。理学博士。94年より広島大学大学院生物圏科学研究科助教授、現在准教授。専門は生物海洋学、微生物生態学。砂漠、南極、火山、地底など極限環境に生きる生物を探して地球中を駆けめぐる。著書に『深海生物学への招待』『宇宙がよろこぶ生命論』ほか多数。

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季刊「生命誌」67号編む

多様な生きものたちを見ていると、いくらでも知りたいことが出てきます。でも、ふと生きものってこの姿しかないのだろうかとも思うのです。

対談のお相手の長沼さん、サイエンティスト・ライブラリーの吉田先生のお二人が期せずして地球外の生物を手にしたいという願いを語っています。宇宙探査が進み、生命体の棲む惑星の存在の可能性は高まっています。二例目の生命体との出会いも絵空事ではなさそうです。

そんな時だからこそ地球上の生物たちが38億年という時間の中でどのように編みあげられてきたかをもっとよく知りたいという気持が強まります。極限環境も含め、地球の生命体をとことん考え、そこにルールを探りたいという気持を長沼さんと語りました。チューリングやL-システムなどとっかかりは見えている気がします。

DNA→RNA→タンパク質といういわゆるセントラル・ドグマを支えるtRNAの進化を捉えた藤島さん。ちょっといい加減で、しかも巧みに立ちまわる生きものの特性を、分子のジグソーパズルで見せてくれる楽しい研究です。ここでも極限環境に棲む古細菌が活躍します。分子だけでなく、社会性の進化もまさにちょっといい加減で巧み。三浦さんのシロアリ研究がそれを示します。分子から個体、社会と全体を捉える視点です。ATP合成酵素が回ってはたらくという思いもよらない事実を映像で示し、皆をうならせた吉田先生。若い頃から変らぬやんちゃ(失礼)が魅力です。(中村桂子)

RESEARCH

組み合わせで進化した古細菌のtRNA

藤島皓介

慶應義塾大学先端生命科学研究所博士研究員。2009年に慶應大学大学院先端生命科学プログラム後期博士課程修了、博士(学術)。初期の生命が使っていたシステムに興味を持って古細菌とコンピュータに向き合う日々を送っている。

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この記事を含む季刊「生命誌」

季刊「生命誌」67号編む

多様な生きものたちを見ていると、いくらでも知りたいことが出てきます。でも、ふと生きものってこの姿しかないのだろうかとも思うのです。

対談のお相手の長沼さん、サイエンティスト・ライブラリーの吉田先生のお二人が期せずして地球外の生物を手にしたいという願いを語っています。宇宙探査が進み、生命体の棲む惑星の存在の可能性は高まっています。二例目の生命体との出会いも絵空事ではなさそうです。

そんな時だからこそ地球上の生物たちが38億年という時間の中でどのように編みあげられてきたかをもっとよく知りたいという気持が強まります。極限環境も含め、地球の生命体をとことん考え、そこにルールを探りたいという気持を長沼さんと語りました。チューリングやL-システムなどとっかかりは見えている気がします。

DNA→RNA→タンパク質といういわゆるセントラル・ドグマを支えるtRNAの進化を捉えた藤島さん。ちょっといい加減で、しかも巧みに立ちまわる生きものの特性を、分子のジグソーパズルで見せてくれる楽しい研究です。ここでも極限環境に棲む古細菌が活躍します。分子だけでなく、社会性の進化もまさにちょっといい加減で巧み。三浦さんのシロアリ研究がそれを示します。分子から個体、社会と全体を捉える視点です。ATP合成酵素が回ってはたらくという思いもよらない事実を映像で示し、皆をうならせた吉田先生。若い頃から変らぬやんちゃ(失礼)が魅力です。(中村桂子)

SCIENTIST LIBRARY

ATP合成酵素がまわる不思議

吉田賢右

1944年
群馬県生まれ
1972年
東京大学大学院理学系研究科
生物化学専攻博士課程修了
自治医科大学第一生化学助手
1978年
自治医科大学第一生化学講師
1985年
東京工業大学理学部助教授
1989年
東京工業大学理学部教授
1990年
東京工業大学生命理工学部教授
1992年
東京工業大学資源化学研究所教授
2010年
京都産業大学総合生命科学部教授

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この記事を含む季刊「生命誌」

季刊「生命誌」67号編む

多様な生きものたちを見ていると、いくらでも知りたいことが出てきます。でも、ふと生きものってこの姿しかないのだろうかとも思うのです。

対談のお相手の長沼さん、サイエンティスト・ライブラリーの吉田先生のお二人が期せずして地球外の生物を手にしたいという願いを語っています。宇宙探査が進み、生命体の棲む惑星の存在の可能性は高まっています。二例目の生命体との出会いも絵空事ではなさそうです。

そんな時だからこそ地球上の生物たちが38億年という時間の中でどのように編みあげられてきたかをもっとよく知りたいという気持が強まります。極限環境も含め、地球の生命体をとことん考え、そこにルールを探りたいという気持を長沼さんと語りました。チューリングやL-システムなどとっかかりは見えている気がします。

DNA→RNA→タンパク質といういわゆるセントラル・ドグマを支えるtRNAの進化を捉えた藤島さん。ちょっといい加減で、しかも巧みに立ちまわる生きものの特性を、分子のジグソーパズルで見せてくれる楽しい研究です。ここでも極限環境に棲む古細菌が活躍します。分子だけでなく、社会性の進化もまさにちょっといい加減で巧み。三浦さんのシロアリ研究がそれを示します。分子から個体、社会と全体を捉える視点です。ATP合成酵素が回ってはたらくという思いもよらない事実を映像で示し、皆をうならせた吉田先生。若い頃から変らぬやんちゃ(失礼)が魅力です。(中村桂子)

TALK

動きと関わりが生命を続かせる

河本英夫 × 中村桂子

1953年鳥取県生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学大学院理学研究科博士課程修了。東洋大学助教授を経て1996年より同教授。著書に『システム現象学 オートポイエーシスの第四領域』など多数。日本におけるオートポイエーシス研究の第一人者であり、近年は認知運動療法にも携わる。

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RESEARCH

生命惑星学へ 惑星のなりたちから生命を考える

井田 茂

1989年東京大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。東京大学教養学部助手、東京工業大学理学部助教授、カリフォルニア大学サンタクルーズ校客員研究員、コロラド大学ボルダー校客員研究員を経て、2006年より東京工業大学理学部地球惑星科学科教授。

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季刊「生命誌」53号生る

●始まりを考える
今年のテーマは「生る」。生まれてくること、始まりを考えるのは楽しいものです(難しくもありますが)。トークはすべての始まり、宇宙創成です。小さな宇宙からのインフレーションは見事な物語でした。その小さな宇宙は無から生まれたとか。トンネル効果という言葉で無に意味を持たせる物理学はやはりすごいですね。宇宙の構造ができるには対称性の破れ、ゆらぎが必要という話は生物につながりそうです。リサーチは、宇宙の中で生命体を生み出す惑星が誕生する話。系外惑星の観測から地球型惑星の存在の可能性が見え、探索へ向けて動き出しているとのこと。早く生命体に会いたいですね。次は、共生系が生まれる過程を実験室の中で捉えた研究。進化をこの眼で見たいという願望に答えてくれると同時に、食う・食われるの関係が共生で落ち着くという結果、それを支えるのがゆらぎであることも示唆的です。すべての話を通じて、技術が進み見えなかったものが見えてきたと実感します。サイエンティスト・ライブラリーの中西重忠さんは、京大グループの一人として活躍。実験手法の確立で独創性を出したと自信を持っておっしゃいました。方法から原理や概念へ。佐藤さんの話と並べると面白いです。

TALK

情報と機能をもつ古くからの働き者

中村義一

1972年京都大学理学部卒業。77年同大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。東京大学医科学研究所助教授を経て、現在、同研究所遺伝子動態分野の教授。文部科学省特定領域研究「RNA情報発現系の時空間ネットワーク」の研究代表者。共著で『RNAの細胞生物学』『RNAルネッサンス』などがある。

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季刊「生命誌」52号関わる

分子から人間まで、生きものに関わるものは、全て「関わり」の中にある。その中でRNAをとりあげ語り合った。DNA→RNA→タンパク質という図式で教科書に登場しながら中間管理職(?)のようにちょっと影が薄かったRNAに最近光が当たっている。DNAのように情報をもち、タンパク質のようにはたらく両刀使いが、生きものらしさを支えているとわかってきたからである。中村義一さんを叱ったのではなく、RNA研究の面白さを強調したのである。リサーチ。単細胞生物の細胞性粘菌は、時にナメクジやキノコになる形の変化につれて多細胞化の過程を見せる人気者。その陰にあるゲノムのはたらきを見た。狩猟生活者グイは、動物と一体感をもちながら、「強い他者」としてのライオンに重要な役割を与えることで、秩序を作っている。細胞と種。共に関わりの重要さが見える。サイエンティストライブラリーは「ヒマワリは本当に日と共にまわるのか」という子供時代の問いを抱き続け、植物生理学を追究した柴岡弘郎さん。「植物に聞く」に徹する姿勢が見事だ。“関わる”を軸にさまざまなテーマを展開したこの1年。あらためて、関わることが生きることであると実感できたのではないだろうか。

SCIENTIST LIBRARY

縁から中心を捉える科学?好熱菌を通じて

大島泰郎

1935年
東京生まれ
1958年
東京大学理学部化学科卒業
1963年
東京大学大学院生物化学
専攻博士課程修了(理学博士)
1964年
東京大学理学部助手
1965年
NASAエームス研究センター博士研究員
1967年
アインシュタイン医科大学博士研究員
1968年
東京大学農学部助手
1972年
(株)三菱化成生命科学研究所主任研究員
1983年
東京工業大学理学部教授
1995年
東京薬科大学生命科学部教授

Research

原始の生命体と地球の姿

山岸明彦

1981年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了 、理学博士。
日本学術振興会奨励研究員 、東京大学教養学部の助手、カリフォルニア大学バークレー校、
カーネギー研究所の博士研究員 、東京工業大学理学部(現生命理工学部)助手を経て
現在東京薬科大学生命科学部助教授 。

SCIENTIST LIBRARY

本質を問いつづける

宮田隆

1940年
東京葛飾生まれ
1964年
早稲田大学理工学部
応用物理学科卒業
1969年
早稲田大学大学院
理工学研究科応用物理学専攻
博士課程終了,理学博士
1969年
名古屋大学理学部物理学科
助手
1973年
九州大学理学部生物学科
助教授
1990年
京都大学理学部
生物物理学教室教授
1995年
京都大学大学院理学研究科
生物科学専攻生物物理学教室
教授

キーワード

Special Story

地球と生命 ─ 同じ時を経たダイナミックな存在

川上紳一

1956 年,長野県生まれ。岐阜大学教育学部理科教育(地学)助教 授。現在「生命と地球の共進化」に関するweb ページに取り組み 中。循環型社会のデザインへ向けて「千年持続学会」の設立を目 指し,小学生向けの天文教室開催や本の出版など理科教育にも力 を入れている。著書に『縞々学』(東京大学出版会,1995 ),『生命 と地球の共進化』(NHK ブックス,2000 )などがある。

Special Story

深海 — もうひとつの地球生物圏

長沼 毅

1961年生まれ。筑波大学、同大学院で学び、理学博士号取得後、海洋科学技術センターに入所。91~93年、カリフォルニア大学サンタバーバラ校に留学。94年より現職。95年より海洋科学技術センター客員研究員。深海にすむ微生物の研究がテーマ。著書に『深海生物学への招待』(NHKブックス)、訳書に『生物海洋学入門』(講談社)がある。

Special Story

圧力の変化と微生物

加藤千明

海洋科学技術センター・深海微生物研究グループ チームリーダー

    季刊「生命誌」に掲載された記事のうち、
    多様な分野の専門家との語り合い(TALK)研究者のインタビュー(Scientist Library)の記事が読めます。
    さまざまな視点を重ねて記事を観ることで、生命誌の活動の広がりと、つながりがみえてきます。

    映像で楽しむ