中村桂子のちょっと一言
2025.11.05
楽しく生きている方たちとの触れ合いで元気に
スローライフのお仲間と一緒に雲仙に行ってきました。「タイパ」とか「コスパ」とか言われる時代ですが、なんだか行き先が見えず、急いで走っている道の先は崖ではないかしらと思えます。そこで、もっとゆっくりとしっかりと日々を送りましょう、その方が充実した暮らしではありませんかと思っていると、実際にそのような生活をしている方が地方にはたくさんいらっしゃることに気づきます。
その方たちと知り合い、学ぼうということで、年に一回、話し合いを求めてくださる地域に行って、会合をもっています。このグループを始めたのは、朝日新聞の記者でいらした筑紫哲也さん。残念ながら亡くなられましたので、今は総務大臣や岩手県知事をなさり、地方の大切さを発信していらっしゃる増田寛也さんを中心に活動しており、私もお手伝いをしているのです。
雲仙では、市役所の方にお話をしたり、「雲仙人(くもせんにん)」と称して楽しい生活を作り出しているグループの方たちの活動の場を見せていただいたり。鍋島邸の見学もと欲張りましたので(ボランティアの案内が講談まで入った熱演ですばらしかったです)、スローとはいかない忙しい3日間でしたが、「こんな所で暮らしたいなぁ」という言葉が何人かの仲間から出ました。同感です。
棚田を大切にし、作った黒米やもち米が直売所で大人気という荒木さん。子どもたちと一緒に作ったペットボトルのランタンが光る棚田の夜景写真は幻想的で、本物を観たくなりました。小豆島のオリーブ園から、イタリア製の採果機が壊れたのでと直しを頼まれた稲田さんは、オリーブそのものが好きになり、オリーブ園を始めました。手に入った耕作放棄地はなんとレンコン畑。工事現場から土をもらっては、グジュグジュの湿地に埋めたのだそうです。何という根性でしょう。発明家と言われる稲田さん。折角育てた樹なのだから葉っぱも利用しようと、オリーブ茶を考えます。でも……オリーブの葉っぱってものすごく苦いんです。そこからが工夫……。今では薬効ありのリーフティーが人気です。このような事例がたくさんあって、皆さん楽しそうです(もちろん御苦労あってのことですが)。このような暮らしが日本列島のあちこちにあることを知ると、こうやって進めば、道の向こうは崖ではなく、開けていくのだろうと明るい気持ちになります。ここにあるのは手仕事でした。
唯一の心残りはちゃんぽんを食べ損なったこと。休日だったこともあり、お店は行列で、バスに間に合わないと言われておにぎりになったり、結局チャンスなしでした。市場で買って帰り、思い切りたくさんの具を入れて頂き、残念さを収めました。ちゃんぽん美味しいです。
その方たちと知り合い、学ぼうということで、年に一回、話し合いを求めてくださる地域に行って、会合をもっています。このグループを始めたのは、朝日新聞の記者でいらした筑紫哲也さん。残念ながら亡くなられましたので、今は総務大臣や岩手県知事をなさり、地方の大切さを発信していらっしゃる増田寛也さんを中心に活動しており、私もお手伝いをしているのです。
雲仙では、市役所の方にお話をしたり、「雲仙人(くもせんにん)」と称して楽しい生活を作り出しているグループの方たちの活動の場を見せていただいたり。鍋島邸の見学もと欲張りましたので(ボランティアの案内が講談まで入った熱演ですばらしかったです)、スローとはいかない忙しい3日間でしたが、「こんな所で暮らしたいなぁ」という言葉が何人かの仲間から出ました。同感です。
棚田を大切にし、作った黒米やもち米が直売所で大人気という荒木さん。子どもたちと一緒に作ったペットボトルのランタンが光る棚田の夜景写真は幻想的で、本物を観たくなりました。小豆島のオリーブ園から、イタリア製の採果機が壊れたのでと直しを頼まれた稲田さんは、オリーブそのものが好きになり、オリーブ園を始めました。手に入った耕作放棄地はなんとレンコン畑。工事現場から土をもらっては、グジュグジュの湿地に埋めたのだそうです。何という根性でしょう。発明家と言われる稲田さん。折角育てた樹なのだから葉っぱも利用しようと、オリーブ茶を考えます。でも……オリーブの葉っぱってものすごく苦いんです。そこからが工夫……。今では薬効ありのリーフティーが人気です。このような事例がたくさんあって、皆さん楽しそうです(もちろん御苦労あってのことですが)。このような暮らしが日本列島のあちこちにあることを知ると、こうやって進めば、道の向こうは崖ではなく、開けていくのだろうと明るい気持ちになります。ここにあるのは手仕事でした。
唯一の心残りはちゃんぽんを食べ損なったこと。休日だったこともあり、お店は行列で、バスに間に合わないと言われておにぎりになったり、結局チャンスなしでした。市場で買って帰り、思い切りたくさんの具を入れて頂き、残念さを収めました。ちゃんぽん美味しいです。
中村桂子 (名誉館長)
名誉館長よりご挨拶