1. トップ
  2. 語り合う
  3. 研究館より
  4. パブリック・ジャーナル・クラブ

研究館より

ラボ日記

2021.02.01

パブリック・ジャーナル・クラブ

コロナの名前を聞くようになって1年。誰も想像していなかった2020年が終わり、新しい年が始まったものの、なかなか先のことは見通せません。少し状況が収まっていた夏に山口大学へ集中講義に出かけた以外、関西から出ない生活を続けています。ここのところ珍しく毎週電話をする母に、毎回「歳をとった」(私ではなくて、あくまでも母のことです)と言われますが、もう、1年以上顔を見ていません。Zoomのやり方を伝えないといけないかな。研究関係の集会もこの1年ほぼすべてZoom会議などのインターネットを介するものになっており、他の研究機関の研究者と直接会って議論を交わすことは全くありません。もともとチャットやラインすらほとんどやってこなかったので、Zoom会議と言われてもなんだか人との距離が掴みにくく、難しさを感じます。特に初対面の方ばかりの会議はなかなか大変です。早く元の状況にと思いますが、コロナが収まっても、おそらく世界は元に戻るのではなく、この今をベースに進んでいくのでしょう。

このような中でも、良い方向へ発展していると感じる場面もあります。それは、世界の研究者の距離が少し近くなったと感じられる時です。11月にはメキシコの学生さんからPublic Journal Clubに参加してもらえないかという連絡がありました。普段からどこの研究室でも、興味を持った論文を研究室のメンバーに紹介するジャーナルクラブ(雑誌会)が定期的に開かれているのですが、そのような雑誌会がどうやらZoom会議として国際的に行われているらしい。そして、その雑誌会で私たちのオオヒメグモの論文を紹介するので、最後の質問コーナーに参加して欲しい、ということでした。(図はそれを告知するtwitter。写真のクモがオオヒメグモとは全然違っていて面白い。) 日本時間の昼、メキシコでは夜だったのですが、20名程の参加者があり、質問を受けました。聞き取れない時にはチャット機能で文字でのやり取り。うまく伝えられずにもどかしさを感じる場面もありましたが、なんとかやれたのではないでしょうか。私たちの論文に興味を持ってくれる学生さんが遠い国にもいて、そしてネットを介してではあっても話をすることができた、というのは貴重な新しい経験でした。研究のことに限らず、コロナを機に新しいことが始まったと振り返る時が来るのかもしれません。

動物の初期発生に興味を持ち、オオヒメグモを用いて研究しています。