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研究館より

ラボ日記

2023.04.18

ナナフシ(神経標本は)お休み中

生命誌研究館の人気生き物の1つ,ナナフシ。木の枝そっくりの形をし,動きものんびり。チョウのように特定の植物を探し回る必要もなければ,ハチのように巣の場所を覚える必要もない。あくせくしないスローライフを送っています。見方を変えると,生きていく上で処理する必要のある情報が少ない,とも言えます。実際に脳を見てみると,他の昆虫に比べて体サイズの割に非常にショボいこぢんまりとしています。

一階の展示フロアでは2019年の秋から,「脳の生命誌」の展示の一角に「小さいけど無視できないムシの脳」というコーナーを設けています。アゲハチョウの成虫と幼虫それぞれの全身ひとつながりの神経標本,ミツバチ,カブトムシ,トンボ,セミの脳標本,そしてナナフシの全身ひとつながりの神経標本を展示しています。しばらくの間コロナ対策として透明カバーで覆っていましたが,今はそれもなくなり,標本を手に取って直にご覧いただける状態になっています。

標本はいずれも当時の担当スタッフの依頼を受けて私が作成したものです。脳を取り出すのは普段の研究でも行う作業なのですが,さすがに全身ひとつながりで神経を取り出すことはそれなりに骨が折れ,特に体の長いナナフシは三時間ほどかかりました。そのナナフシの神経標本ですが,今は展示をお休みしています。2代目を作成するつもりではいるものの,研究が立て込んでおり,しばらくナナフシ(神経標本は)不在が続きそうです。なお,生きているナナフシたちは今日も元気に展示されていますのでご安心ください。
 

宇賀神 篤 (研究員)

所属: 昆虫食性進化研究室

現在はアゲハチョウの脳の研究を進めています。これまでの研究はリサーチマップを参照。