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研究館より

ラボ日記

2023.07.19

今、寄生虫がおもしろい!

寄生虫の本を読みました。以前、奨励研究員として小田ラボで研究していた佐々木瑞希さんの「寄生虫を守りたい」という本です。寄生虫?と、ちょっと眉をひそめてしまう方も多いかも知れませんが(私もそのひとりだった?)、SNSのフォロワー数を誇る彼女だけあって軽妙な語り口で不思議な世界に引き込んでいきます。(特に、本文中の括弧書きは、ポソッと楽しく、佐々木さんらしさに溢れているなと思います。)私たちの知らないところで、小さな生き物たちがこんなにも巧妙に(運任せに)生を営んでいることに、あらためて気付かされました。また生物の多様性についての考え方にも強い共感を持ちました。本を読んで、寄生虫に対する熱い想いをもっと聞いておけば良かったと、本気で後悔しています。(そして、当時どれだけ研究テーマを楽しめていたのか心配に思ってもいます。)小田ラボ在籍時には、節足動物(特にフナムシ)のカドヘリンについて解析し、ビキニを着てフナムシ採集に行ったりとお茶目な一面も見せつつも、論文も立派にまとめました。今はとにかく、困難があっても、現在と将来に彼女が本当にやりたい事が出来るよう応援しています。

さて、本を読んで思い出した、私の黒歴史について。ギョウ虫を知っていますか?これも本で紹介されている寄生虫のひとつです。ペタッとお尻に貼り付けるギョウ虫検査は今ではあまり行われていないとの記載もありましたが?実は小学2年生(おそらく)の時に陽性になった事があります。クラスの中で2人、私と隣の席の男子だけ。なんで私がと憮然とした気持ちで担任の先生に渡された薬を持ち帰り、家で飲んだ記憶があります。幼いながら、滅多に起こらない事が隣同士に座った2人にだけ起こったことに何か意味があるのではと考えたことも覚えています。本を読んで、あ、ギョウ虫の戦略にやられたのだな、と思いました。もちろん薬の方が強力ではありましたが。
 

動物の初期発生に興味を持ち、オオヒメグモを用いて研究しています。