ラボ日記
2025.11.05
季節の移ろいとともに——ラボ日記第3回
早くも3度目のラボ日記担当となりました。春から始まり、夏を経て秋へと季節が移り変わる中、時間の流れの速さに驚かされる日々です。少し前には、話題の万博が開催されていました。閉会が近づくにつれて「一度は行ってみよう」と考える方が増え、大変な混雑だったというニュースをよく耳にしました。私も開催期間の後半に訪れましたが、会場は人で溢れ、思うように歩けず、パビリオンに入ることもほとんどできませんでした。何度も訪れている方のお話によると、1か月以上前から予約をして計画的に行動すれば、比較的快適に楽しめたようです。私の場合は家族の予定がなかなか合わず、早めの予約ができなかったことが少し心残りです。
さて、生命誌研究館でも毎月のようにユニークな研究をされている先生方をお招きして講演会イベントを開催しており、ありがたいことに、毎回多くの方々がオンラインを含めてご参加くださっています。先日は、京都大学名誉教授の梅田眞郷先生をお迎えし、研究について講演していただきました。梅田先生は腸内細菌をはじめとする共生細菌の研究をされており、これらの菌が健康状態だけでなく、暑がり・寒がりといった体質や食の好みにまで影響を与える可能性があるというお話に、参加者の皆さんも大変驚かれていました。最近では「腸活」などの健康ブームもあり、共生菌の重要性をご存じの方も多いと思いますが、改めてその奥深さを実感する機会となりました。生命誌研究館の講演会では、このように著名な研究者の方々がご自身の研究について、一般の方にもわかりやすくお話しくださいます。こちらは予約不要でご参加いただけますので、ご興味のある方はぜひお気軽にご来館ください。
近年では、こうした一般公開の講演会やメディアを通じて、研究者以外の方々も最先端の研究に触れる機会が増えています。万博でも、培養細胞から作られたミニ心臓などの最新の研究成果に関する展示が話題となりました(私自身は残念ながら見ることができませんでしたが…)。生命誌研究館の講演会にはうれしいことに小さなお子さんの参加も多く、元気に、時になかなか鋭い質問をしてくれる姿に、いつも感心させられます。私自身、幼い頃に児童向けの科学講座に参加したことがきっかけで、研究者を志すようになりました。ですので、講演会に来てくれる子どもたちの中から、将来の研究者が育ってくれたら嬉しいなと思っています。
前回の日記で黒田先生が触れていた学会でも、しばらく前から研究者だけでなく、高校生や中学生が発表できる場も設けられるなど、未来の研究者を育てる取り組みが進んでいます。もちろん、参加した全ての子どもが研究者になるわけではありませんが、科学に親しみ、知識を持つ人が社会に増えれば、新しい技術が社会に導入される際にも、「よくわからないから不安」といった感情だけでなく、「この点が懸念される」「こうした方法がより良いのでは」といった建設的な議論ができる社会になっていくのではないかと思います。もちろん、感情に基づく意見も大切ですが、知識を深めることで不安が和らぐことも多いはずです。これからも、生命誌研究館の自然科学について伝える活動が科学、自然と社会の架け橋となれれば、そして私もその一助になれればと願っています。
さて、生命誌研究館でも毎月のようにユニークな研究をされている先生方をお招きして講演会イベントを開催しており、ありがたいことに、毎回多くの方々がオンラインを含めてご参加くださっています。先日は、京都大学名誉教授の梅田眞郷先生をお迎えし、研究について講演していただきました。梅田先生は腸内細菌をはじめとする共生細菌の研究をされており、これらの菌が健康状態だけでなく、暑がり・寒がりといった体質や食の好みにまで影響を与える可能性があるというお話に、参加者の皆さんも大変驚かれていました。最近では「腸活」などの健康ブームもあり、共生菌の重要性をご存じの方も多いと思いますが、改めてその奥深さを実感する機会となりました。生命誌研究館の講演会では、このように著名な研究者の方々がご自身の研究について、一般の方にもわかりやすくお話しくださいます。こちらは予約不要でご参加いただけますので、ご興味のある方はぜひお気軽にご来館ください。
近年では、こうした一般公開の講演会やメディアを通じて、研究者以外の方々も最先端の研究に触れる機会が増えています。万博でも、培養細胞から作られたミニ心臓などの最新の研究成果に関する展示が話題となりました(私自身は残念ながら見ることができませんでしたが…)。生命誌研究館の講演会にはうれしいことに小さなお子さんの参加も多く、元気に、時になかなか鋭い質問をしてくれる姿に、いつも感心させられます。私自身、幼い頃に児童向けの科学講座に参加したことがきっかけで、研究者を志すようになりました。ですので、講演会に来てくれる子どもたちの中から、将来の研究者が育ってくれたら嬉しいなと思っています。
前回の日記で黒田先生が触れていた学会でも、しばらく前から研究者だけでなく、高校生や中学生が発表できる場も設けられるなど、未来の研究者を育てる取り組みが進んでいます。もちろん、参加した全ての子どもが研究者になるわけではありませんが、科学に親しみ、知識を持つ人が社会に増えれば、新しい技術が社会に導入される際にも、「よくわからないから不安」といった感情だけでなく、「この点が懸念される」「こうした方法がより良いのでは」といった建設的な議論ができる社会になっていくのではないかと思います。もちろん、感情に基づく意見も大切ですが、知識を深めることで不安が和らぐことも多いはずです。これからも、生命誌研究館の自然科学について伝える活動が科学、自然と社会の架け橋となれれば、そして私もその一助になれればと願っています。
日野太夢 (奨励研究員)
所属: 形態発生研究室
多様な生き物の形を、どうやって作っているんだろう?という疑問を解き明かすべく、体の形の基本となる骨の形成制御機構を研究しています。