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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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日独合同発生生物学会に参加して

2017年4月3日

岩崎 佐和

3月15日~18日にかけ、ドイツのキールにて行われた日独発生生物学会に参加していました。

学会にはドイツと日本だけでなく10カ国以上から230名以上が参加し、70以上の演題と100名のポスター発表、14名のe-poster発表がありました。発生生物学の最先端の研究結果に活発な議論が行われました。

ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ」からは小田主任研究員と私の2名が参加しました。小田さんは招待講演。私は今回学会初の試みであるe-Poster+5分のトークに挑戦しました。(e-Posterは従来の紙ポスターとは異なり、スクリーンに映るポスターで、自由に拡大縮小でき、動画も表示することができます。) しかし、短い時間とはいえ、私にとって初めての国際学会でのトーク。英語での発表に不安を感じていた私は、このままではいけないと思い立ち、昨年末から準備を始めました。クモに餌をやる時間も、iPhoneに吹き込んだ言葉を聞きブツブツ繰り返す、そんな日々が何ヶ月も続きました。ポスターが仕上がり、話す原稿が出来上がったのが発表の1週間前、そこからは何度も発表の練習をしました。最初できなかったことが、練習することで少しずつ改善されていく事を実感し、練習の大切さを改めて強く感じました。

発表当日は、練習の甲斐あって自信を持って発表することができました。本当に、あっという間でした。機器の目新しさもあり予想以上の多くの方にいていただくことができ、効果はあったのではないかと思います。

しかし、一番の印象深い出来事は、特別講演でいらしていたノーベル賞受賞者のEric F. Wieschaus 先生に私の研究内容を聴いていただいたことでした。身体の中から湧き上がるようにお話される方でした。私も誘発されるように「こんな面白い事を見つけました!」と熱く主張してしまいました。それは素晴らしく楽しい時間で、でも、最後に議論が深まってくると私の準備不足で言葉が出なくなり、小田さんにサポートしてもらう羽目になってしまいました。とても楽しい時間だっただけに非常に悔しい気持ちになりました。自分の言葉で、伝えられるようになりたいと、強く思います。

今回、初代BRH館長であった岡田節人先生が残された「岡田節人基金」による助成を受け、発表をさせて頂きました。本当に貴重な経験をさせて頂きました。心より感謝いたします。


キール主要駅。目の前は海。

学会プログラムではニコライ大聖堂でのオルガンコンサートも行われた。

ePoster発表の様子。

[ ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 岩崎 佐和 ]

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