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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

バックナンバー

【バックナンバー 】

1999年2月1日

 新年の仕事始めから、竜巻のようにブンブン5日間仕事をし、ベトナムへ7日ほど行ってきました。もちろん、プライベート。12月からびっくりするほど忙しい毎日を送っていたので、とても良いリフレッシュとなりました。リフレッシュされすぎて社会復帰もままならない今日この頃です。ちまたではベトナムにはまる人を「ベトベト病」というそうですが、私も来年も行こう!と心に誓うベトベト病です。ご飯は美味しいし、良い人ばかりだし、良いことだらけ!家でもせっせとベトナム料理を作るぐらいはまっています。
 そんなことはさておき、ベトナムで新聞を読んだところ、『「遺伝子工学で遺伝子をかえた象を作ろう」とチラッとタイの科学者が言った』という記事を見つけました。gene、biotechnology という単語とともに、elephant と載っていれば、日本人には、ものすごいインパクト。しかも、大きな記事なのです。この新聞、研究館へのお土産として持ち帰りました(もちろんこれだけではないです、念のため。)。記事の内容よりも、ベトナムの新聞がそのスペースでこの話題を取り上げることに驚きを感じました。日本でもよく生物学関連の記事を見かけます。新聞がそういった話題を取り上げる頻度やそのスペースって、読者の興味を反映しているのでしょうか?そして、その情報はきちんと届くの?という疑問から始まり、じゃあ、私達はちゃんと伝えている?とグルグル考えてしまいました。
 私達生き物のことだから、やっぱり、ちゃんとわかって欲しいのだけど、とても難しい。どうしたら、うまく伝わるか?それを手探りしているのが私達の部門です。頭で考えたり、文字で読んだりとは違ったサイエンティフィックなメッセージをお届けしたいという想いから、新しく「DNAって何?」という映像作品を4月よりホールで展示します。
 みんながいろいろな難しい問題を議論するより前に、私達の細胞の中で行なわれているすごいこと、を感じて欲しい。そうすると新聞を読んでも、噂を聞いても感じ方が違ってくるといいなと思っています。
[工藤光子]

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