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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【切り口は違っても・・・】

1999年5月1日

 先日、埼玉県和光市にある理化学研究所に行ってきました。理研では、物理学や化学、生物学など様々な分野の研究がなされています。私が行ったのは、最近できた脳科学総合研究センターというところです。脳型デバイス・ブレインウェイ研究グループのグループディレクターをされている松本元先生にお会いしてきました。
 お話には難しい専門用語はほとんど出てきませんでした。脳は、自ら目標を設定し、その目標を達成するための方法を編み出すことを目的としているという一見当たり前と思われることから話は始まり、教育や生き甲斐といった問題にまで話が及びました。脳を切り口として考えると、今の教育は何が間違っているのか、私たちにとって何が一番大切なのかといった問題の解決法が得られます。驚いたのは、脳を切り口とした先生のお考えが、生命誌を切り口とした中村桂子副館長の考えと同じところに収束していることでした。先生は「高等、下等という言葉は嫌いなんだけど・・・」と話されていましたが、生命誌研究館でも高等、下等という言葉は嫌っています。同じだと感心してしまいました。
 生命誌25号には、松本先生に登場していただく予定でいます。詳しく知りたい方は、そちらをお楽しみに。
[鳥居信夫]

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