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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【立体の威力】

2000年5月1日

 私は毎回の展示を作る時に、テーマの中の概念や考え方を一つくらい立体化することを目標としている。花の展示ではがく、花びら、おしべ、めしべが順番にならぶ仕組み―ABCモデルを立体化した。自分で何十枚ものがくや花びらを紙粘土でせっせとつくり、乾かして、色を塗り、組み立てた。骨の展示では、発生と進化という生物に流れる二つの時間を、デザインした時計で表現した。立体にしたからなんだ、と思われるかもしれないがサイエンスの世界では、立体での表現はお金も時間もかかるので、なかなか行われていない。しかし、その大変な過程を経て作るかいはきっとあると私は思っている。
 生命誌23号に載っている進化発生学者のPeter Holland 博士は4度日本に来て、毎回BRHに訪ねてきてくれている。そのうち2回、私の作った立体物に感動して、立体物と一緒に写真を取りたい!と言ってくれたのである。英語が苦手な私はボスの加藤さんにくっついて、にっこり笑う役を果たし、反省している場合が多いが、この時は「物ってすごい!」と思うのである。しゃべらなくても通じるじゃん!と、、、。そして、英語の感動したとかすごい!などの褒めている表現は、日本語では得難いこそばゆさを与えてくれる。褒められるのなら、断然英語が気持ち良い!そんなことはどうでも良いのだけれど、、、。
 立体物で私が伝えたかったことの意味を、私の狙い通りにきちんと解いて感動してくれるHolland 博士は私にとって大きな励みである。次の展示では、私の手で作るのではなく、アーティストの表現力を借りることにした。私の頭の中のイメージが彼等に伝わり、皆様に届くと良いなと思って頭をひねっている。11月から開催の展示に登場しますので、お楽しみに!
[工藤光子]

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