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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【残暑お見舞い申し上げます】

坂東明日佳
 暑い日が続きますね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私は今年もBRHのサマースクール(略してサマスク)に参加するため、高槻に帰省してきました。私のサマスク参加歴を振り返ると今年でなんともう4年目に突入です。ただし4年目といっても今は静岡県三島市にある研究室から陰ながらBRHの活動を見守ることが多いので、あまり古株の意識はありません。むしろ、BRHと三島の研究室を行き来するようになったことで、今まで気づかなかったBRHの良さや独特の点を発見するほどです。2つの研究組織の良いところを生かした表現ができればきっと面白い、できるだろうか?と期待と不安の入り混じるこの頃です。
 私は今、遺伝子・タンパク質のもつ多様な機能を表現することに取り組み中です。“遺伝子の機能”は、おそらく生物学分野では耳にしない日はないくらい、昔から愛用されてきたフレーズだと思います。ただ一口で機能といってもその言葉の使われ方は、対象とする生きもの、遺伝子、生命現象の違いによって千差万別で、いまいち「機能ってなにか?」しっくりくる見方がないなあと感じていました。本当にたくさんの研究成果を紡いでいく必要のあるテーマなので前途多難ですが、「私が調べた結果ではこうでしたが、どう思われますか?」と研究者に問いかけられるような素材作りをなんとか目指したいと、工夫を凝らしている最中です。
 ところで今年のサマスクのSICP部門のテーマは、『BRH展示のメッセージを伝える研究館グッズをつくる』でした。大学院生、会社勤めの方、日々子育てに勤しんでおられる方、と様々なバックグラウンドをもつスクール生たちが集結し、展示テーマごとにチームに分かれ、なんと二日間で1つのグッズ作りを目指します。同じ表現活動でも、長期・単独プレー型の大学院生の研究活動とは随分異なるので、サポーターとして参加しながらチーム活動の楽しさや難しさを学ばせてもらいました。特に最終日の最後。完成したグッズのプロトタイプは、もちろん“1チーム”に1つ。それを互いに譲り合ったり、型紙をコピーして持ち帰るのを見て、「ものづくりの試行錯誤を共有する仲間ができるのって、いいなあ」とちょっと羨ましく思ってしまいました。スクール生の皆さん、最後まで頭も手もフル回転で、夏バテを忘れるほど濃密な二日間だったのではないでしょうか?身の回りで誰かに伝えたいことがあるとき、是非、今回のモノ作りを思い出してください。サマスクに関心のある皆さん、秋頃にはWebにサマスク報告ページがアップされる予定ですので、サマスク活動の全貌については乞うご期待です。


 [ 坂東明日佳 ]

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