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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【編集を楽しむ】

板橋涼子 BRHに入ってもう6年近くたちますが、ようやくサイエンティスト・ライブラリーの記事を担当することになりました。文章表現が苦手な私に勤まるかしらと不安もありましたが、好きな研究分野であればできるはず!と自分自身を奮い立たせて臨みました。
 これまでは主にリサーチ担当だったので、取材といっても若手の研究者なので年齢が近いこともあり、幾分リラックスして取材できたのですが、サイエンティスト・ライブラリーは大御所の先生ばかりです。私の緊張は尋常ではありませんでしたが、取材に同行した村田さんのサポートもあってなんとか乗り切り、写真撮影もドキドキしながらも無事終了。今は編集作業も一段落し、BRHカードの原稿を書いている所です。
 ところで、インタビューの後の録音を聞くと、いつも自分の声に落ち込みます。なんて聞き取りにくい声をしているのか。もともと声が低い上に、か細く聞き取りにくい。自信のない時に、声がか細くなり、もごもごする傾向にあるようです。これはなおすべきだと思い、日々気をつけるようにしています(腹から声を出す!)。
 今回のサイエンティスト・ライブラリーの取材では、弱々しい自分の声と対象に研究者の語りの力強いこと。30年以上の経験から発せられる言葉にはズシンとした説得力がありました。取材後、録音したテープは業者さんにテキスト化してもらいますが、実際に取材で聞いた印象とだいぶ変わります。文章にしてしまうと、会話の中での「抑揚」、「間」、さらに顔の「表情」も含めた語りの臨場感がなくなってしまうからです。しかし、その臨場感を伝えるためにどんな工夫をしたらよいか、その試行錯誤がサイエンティスト・ライブラリーの楽しさだと思っています。

 [ 板橋涼子 ]

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