1. トップ
  2. 語り合う
  3. 【食草園がにぎやかになってきました】

表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

バックナンバー

【食草園がにぎやかになってきました】

2016年4月15日

有馬 えり奈

春です。研究館前の桜は4月3日(日)に満開となり、桜の通り抜け期間中、たくさんの方にご来館いただきました。2日、3日の2日間だけで入場者数1000名を超え、たくさんの方と語り合うことができました。ご来館ありがとうございました!

さて、私は2年ほど前から食草園のお手入れ計画に取り組み、やっと終わりが見えてきました。新たな食草の追加や使用していない鉢の整理、土の入れ替えを進めてきました。というのも、食草園のシンボルであるミカンの木をもっと目立たせたいと思ったからです。当館にはチョウが食草を見分けるしくみを探るラボがあり、ミカン科植物を食草とするアゲハチョウを中心に、チョウと食草の進化の関係を研究しています。食草園は研究と日常をつなぐ展示として、現在およそ20種類の食草や数種類の吸蜜植物を植えて、チョウの訪れを楽しみに待っています。昨年追加したサンショウの木では、4,5匹の幼虫が一気に育つ姿をみることができました(サンショウは食べ尽くされてしまいましたが・・・)。また、近年は食草園で、「DNAから進化を探るラボ」の研究植物であるイチジクが、佐々木スタッフの丁寧なお世話によって元気よく育っています。佐々木スタッフ曰く、挿し木を始めた頃は全然育たなかったけれども、ある時急に葉をつけるようになり、その理由はわからないとのこと。庭仕事を通して生きものと関わっていると、なぜ花の色が他と違うの?どうして食草園を訪れるナミアゲハはサンショウにばかり卵を産むの?となぜ?がたくさんあふれてきます。このなぜ?は忙しく動き回っていると出てこないと思います。ゆったりとした気持ちで生きものと向き合う時間を食草園で過ごしてもらえるよう、お庭を整え、みなさまのご来館をお待ちしております。夏は非常に暑いので、春もしくは秋がおすすめです。食草園は催し時のみ開放しておりますが、食草園の手入れをしている私を見つけましたら遠慮なくお声がけください。


ひっそりと咲くスミレ

勢いよく育つサンショウの木

[ 有馬 えり奈 ]

表現スタッフ日記最新号へ