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2020.04.14

生き方を考える

参照記事「研究館より」

ぴっぴ

はじめまして。
中村先生の「ふつうのおんなの子の力」を読んでいます。今朝、初めて、生命誌研究館のホームページにたどり着きました。

わたしはこの4月に免疫学の研究室で修士課程をはじめた、ふつうのおんなの子です。
優秀な先輩と優しい先生に囲まれ、学ぶことがとても楽しい毎日です。

でも同時にこれから先どう生きていこうか?を考えています。春休みに途上国に行く機会があり、おんなじ人間なのに、ここまで違う文化・宗教・生活をしている人が世界にはいるのだと驚きました。自分の生活はとても豊かで、とても高度な学問を学ぶ環境はとてもありがたい。でも、発展だけが良いことなのか。むしろ、私たちがそこの国の人たちの生き方から学ぶことって、多くあるように感じました。

そんなことを頭の片隅に考えながら、科学と向き合っています。
中村先生の「科学を超える」という意味について、わたしなりに考えていこうと思います。

2020.04.14

1. 中村桂子(名誉館長)

「ふつうのおんなの子」を読んで下さっているとのこと、ありがとうございます。ぴっぴは「長靴下のピッピ」ですか。私も大好きです。

研究室生活を楽しめるのは一番幸せなことですね。私も大学院時代、すてきな先生、先輩ばかりで、本当に楽しい生活でした。それが今の私を支えてくれています。

科学を超える・・・ちょっと刺激的な言葉かもしれません。「ふつうのおんなの子」として科学を考えるということと言えばよいかもしれません。

是非また書き込んで下さい。楽しみにしています。

2021.06.25

2. ぴっぴ

中村桂子先生

こんにちは!
すてきなお返事をありがとうございました。
中村先生から直接コメントをいただけるなんて、感激でした。
そうです、あだ名がピーちゃんで、由来が長靴下のピッピなんです。

研究まっしぐらで、気がつくと修士2年生になり、進路を考える時期になりました。
今の私は、研究を続けるか、中高の理科の教師になるか、で迷っています。研究がおもしろければおもしろいほど、未来の社会を担う子どもたちと、この喜びを共有したい!と思います。同時に、研究室で、もっと自分自身が学んで、学問を楽しみたいという気持ちもあります。

今思っているのは、博士課程であと4年間研究をつづけた先に、きっと今は見えない世界が広がっているのだろう、ということです。
そんな世界に足を踏み入れたいような、でもちょっと不安な気持ちです。
中村先生、研究をつづけた先にはどんな世界が待っていますか?

2021.06.25

3. 中村桂子(名誉館長)

 お久ぶりです。楽しい研究生活を送っていたらあっという間に時がたっていたという感じですね。素晴らしいことです。博士課程に進んだ先どうなっているか。
 わかりませんというのがお答えです。意地悪をしているわけではありません。生きものはどのようなものかということについて、いろいろな考えがある中で私が一番共感しているのが、F.Jacobの「予測不能性」です。先のことは分からないと思いませんか。さまざまな出会いによって思いがけないことが起きるのが生きものである人間の一生です。出会いを大切に、その時を心を込めて生きることで、充実した生活を送って下さい。そうすれば、納得のいく生き方ができると思います。お元気で。

2023.06.06

4. ぴっぴ

中村桂子先生

お久しぶりです。
お返事をくださって、ありがとうございました。
実は2年前に中村先生がお返事を下さった時、すぐには予測不能性がどんなことを意味しているのか分かりませんでした。でも今はすごく分かります。
あれから博士課程に進学したのですが、色々な人との出会いを通じて、ワクワクする研究分野にめぐりあい、この春に研究室を移動して再出発しました。自分でも予想していなかった「今」を楽しんでいます。それが生きものとして生きる人間の醍醐味ですね。
いつか中村先生にお会いできる日を楽しみに、これからも生物学の研究に励みます。どうぞお元気でいらして下さい。

2023.06.06

5. 中村桂子(名誉館長)

ぴっぴさま
 嬉しいお知らせありがとうございます。若い方が生命誌に触れることが
きっかけで新しい道を歩いて下さることは、本当に嬉しいことです。私も
これまでたくさんの素晴らしい方に出会ったことで、新しい道を探りなが
ら仕事をしてきました。生命誌はそのような出会いで作り上げられていく
「知」ですので、またのご報告をお待ちしています。
                中村桂子

2024.02.20

6. ぴっぴ

中村桂子先生

ご無沙汰しています。
お元気でお過ごしでしょうか?

実はまたご報告なのですが、現在の指導教員の先生が他大学で新しく研究室を立ち上げることになり、私もついていくことになりました。
この春、新たな環境での研究生活が始まります。
正直、思いもよらなかったことで、とてもびっくりして、最初は不安な気持ちでした。でも、これこそ中村先生が教えてくださった予測不能性だ!生きものとしての人間の生き方はこうなんだ、と改めて気がついて、明るい気持ちになりました。

1つ嬉しいのは、生命誌研究館がとても近くなることなので、いつか中村先生にお会いできる日が来るのではないかと期待をふくらませています。

私が毎日生きている中での最近の気づきは、”自分”から始まることの大切さです。以前の研究室でのテーマは、わたしが自分で積極的に選んだのではなく自然と与えられたものでした。現在の研究室では、自分がやりたいと思っていたテーマについて研究させていただいていて、とても面白いです。自分が決めた分、責任も伴いますが、自分が決めたことだから、頑張ろうと前向きに取り組むことができます。

本当はどんなことにも同じように頑張れたら素晴らしいけれど、やっぱり自分の内側からでてきたエネルギーって何にも代え難い力をもっているんだなと感じます。

そんな日々を送っています。これからも私らしく、生きものらしく、楽しく研究していきたいと思います!
どうぞお元気でいらして下さい。

2024.02.20

7. 中村桂子(名誉館長)

ぴっぴ様
 お久しぶりです。文字の一つ一つから張り切っている様子が伝わってきて私までウキウキしてきました。おめでとうございます。
 自分で考え、やりたいと思うことができるのは一番恵まれた状態ですね。そのような環境は自分で作り出すものであると同時に、外からの助けもたくさんあってのことだということを忘れずに、よいお仕事をなさって下さい。ちょっと偉そうに言ってしまいましたが、いつもそう思ってきましたので。
 残念ながら私は東京にいますが、いつかどこかでお会いできるとよいですね。
                  中村桂子

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