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みんなの広場

研究

2022.04.14

何故こんなことが?

ものぐさフクロウ

私の庭の軒下に金柑の鉢植えが2つあります。
1つは友人から譲り受けた物で、昨年ナミアゲハを何頭か育て上げた為、ほとんどの枝が切り取られた状態です。
ついている葉も数えるほどで、しかも私の管理がまずかったせいで、葉色が薄い緑となってしまっている状態です。
でもここにきてようやく2~3センチ程度の新葉が一箇所、数ミリの新葉が4、5箇所出てきています。
樹たけは50センチほどです。
1mほど離れたところに、先月購入してきた大実金柑の鉢植えも置いてあります。
樹たけは40センチ程ですが、こちらはびっしりと葉がついています。
昨日(4月13日)の事です。
1日に15個も葉の無い方の鉢植えに卵が産み付けられていました。
まだ2、3センチ程度の葉にはくっつくように3個が生み付けられ、まだ葉にもなっていないような数ミリの葉にも残らず卵が付いていました。
驚いたのは、葉の無い枝にも3箇所生み付けられていました。
隣の大実金柑には全く生み付けられていません。
(購入してきて後、防虫剤がかかっているのではと思い、葉は一枚ずつ水拭きしていたのですが)
なぜこんな事が起きたのか不思議でなりません。
まだ飛んでいるアゲハをほとんど見かけていないこの時期にです。
一体何頭の母蝶がやってきたというのでしょうか。
なぜ葉のある鉢植えには生み付けずに、葉の無い方の鉢植えにだけ生み付けたのでしょうか。
そしてまた、3、4m離れたお隣には大きな(2.5m程の)ゆずの樹もあります。
塀からこちらへ枝も伸びているのに、見た限りではどの葉にも卵は見えませんでした。

こちらに書かれているご研究を読みました。
このようにアゲハの生態を深くご研究されている皆様でしたら、簡単に解明いただけるように思いまして投稿させていただきました。
お忙しいところご迷惑とは存じますが何卒宜しくお願い申し上げます。

2022.04.19

1. 齊藤わか(表現を通して生きものを考えるセクター)

InsectInDBなど、当館の研究活動についてご覧いただき、ありがとうございます。「チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ(昆虫食性進化研究室)」の尾崎研究員からの回答と、ご参考になりそうな当館の記事のご紹介を記します。

1. アゲハチョウは、まず前脚で葉っぱを軽く叩くように触って(この動作をドラミングといいます)、前脚の味覚センサーで葉の味を感じ取り、卵を産むかどうかの【判断】を行います。
産むと判断したあとは、腹部を曲げて先端を押しつけて卵を出すという流れになります。この腹部を曲げているときは、蝶にとっての足場の善し悪しが重要なようで、腹部の先端が収まりよく触れる場所に卵を産み付ける傾向が見られます。そのため、たまたま足場が良かったり腹部の当たり具合が良かったりした場合に、枝など葉ではない場所や、隣接する場所にある別の植物の葉に産み付けてしまうこともありますし、足場や腹部の収まりが悪いと食草の葉の上で腹部の空振りを続けることもあるようです。
ドラミングによる味見までは幼虫のための行動(母心)で、卵を出す瞬間はメス成虫自身の心地よさが重要、といったところでしょうか。

★食草園WEBサイトでは、チョウの産卵までのシーンを動画で紹介し、【判断】をささえるしくみについて解説していますので是非ご覧ください。
https://www.brh.co.jp/special/butterfly-nursery/

2. 当館の展示「Ω食草園」にもミカンの鉢がいくつかありますが、産卵場所として人気が集中する木があって、不人気な木には卵や幼虫が少ないように見えることがあります。メス成虫によるドラミングの前に、植物に着地する段階では視覚情報が重要であると考えられています。総研大の木下先生の研究によると、葉の形や角度によって生じる偏光(光の波長の縦横の向き)の影響で、着地頻度が変わるとされています。
断言するのは難しいですが、人間には見えない偏光による植物の「見た目」の良さが、メス蝶からの人気に影響しているかもしれません。

★アゲハチョウの視覚を研究されている総研大の木下先生の取材記事もございます。
https://www.brh.co.jp/publication/journal/106/rp/research01/

チョウの知覚と行動の背景には、人間にはまだ解明されていないしくみがたくさんあります。身近な生きものの中に、ご自身だけの問いをさがしてみてください。

2022.04.21

2. ものぐさフクロウ

ありがとうございました。
こういう事もある、という事が良く分かりました。
人間には分からない何かがあるのですね。
会話をしてみたいものです。
その後、枝への産卵が増え、計32個となりました。
枝が触れ合う程他の鉢を近づけたのですが、どうしても
この鉢へしか産卵したくないようです。

2022.04.26

3. アマミナナフシ

『Ω食草園』でも人気が集中するミカン科の木があるとのこと。アゲハチョウの幼虫は大食漢ですから人気の木の葉はすぐに足りなくなりますね。その時幼虫は近くにある別のミカン科の木の存在に気付いて移動出来るのですか。自然界には鳥類という幼虫にとっての強敵がいますから、自然観察だけでは難しいかもしれませんね。

2022.04.28

4. ものぐさフクロウ

卵が32個になった時点で、鉢を室内へ移動しました。
そうしましたら、私が目にしただけでも日に数回蝶がやってきて、
狭い庭をヒラヒラと確認してはすぐに飛び去っていきます。
ガラス扉前に並べてある金柑の鉢植えには見向きもしません。
まるであそこに行けば良い鉢植え(室内窓際に移動)があるぞと、
ウワサにでもなっていかのようです。
32個の卵は全て孵化し、今は2~3齢幼虫となっています。
こちらに書かれていた人工餌を試してみたかったのですが、どうも
私には荷が重いように感じられましたので、夏みかんの若芽をいた
だいてきて育てています。

2022.05.03

5. アマミナナフシ

アゲハチョウの幼虫が32匹になったとのこと。時間差などにより御自宅で同時に羽化し、32頭のアゲハチョウになるのは難しいかもしれませんけれど、一斉に羽化する様子は見応えありそうですね。

長男が小学校5年生の時、プール掃除をした5年生の子どもたちが「プールで育ったヤゴがトンボに羽化するのを絶対にみたい!」と言いました。5年生の教室横の廊下の隅にヤゴと水と割り箸を入れた入れ物を並べて帰宅。次の朝、廊下中にたくさんのトンボが羽化し飛び回っているのを見つけた子どもたちが欣喜雀躍した思い出は昨日のことのようです。

2022.05.17

6. ものぐさフクロウ

その後卵は1個増えて33個に。
全て無事サナギとなりました。
卵が生み付けられた時点で室内へ移動していましたので、キセイバエや
蜂の心配は無いと思っています。
採ってきた葉も、全て手でゴシゴシと洗ってから与えていますので、多分
大丈夫と思います。
昨年は幼虫の時に手で沢山触れていました。
(ストレスになるのではと思い、控えながら)
そうしましたら、羽化した蝶は皆手乗りとなってくれました。
中には、呼んで手を上げると飛んで来てくれる子も。
とても可愛いかったので、今年は更にたっぷりとスキンシップを楽しみ
ました。
さて、うまく全員が羽化できると良いのですが。

2022.05.17

7. アマミナナフシ

33匹すべてが蛹になったとのこと!!33匹の『はらぺこあおむし』にミカンの葉っぱを準備するのはさぞかし大変だったでしょう。

まさか樹丈50cmの1本の金柑に33個の蛹が鈴なりにあるわけではないですよね?蛹は緑色と茶褐色と混ざっていますか?

蛹になりたてだから、丁度今、『その中では、芋虫の細胞全部がドロドロに溶けてそれから蝶が形づくられる』不思議だけど事実の状態になっているのですね‼33個も‼

以前よく次男が、初夏の夕方に土から出たのに脱皮出来る樹が見つけられないセミの幼虫を捕まえてきて「助けてあげる。」と、網戸に付けて脱皮場所を作っていました。羽化したてのクマゼミの翅は黄緑色で美しくよく見とれていました。

アゲハチョウはセミと異なりとても短時間羽化し、しかも羽化時間帯も様々とのこと。どんな様子になるのでしょうね。続きを楽しみにしています。

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