生命誌の気持ち
生命誌を学ぶようになって私の中でいろんな気持ちが増えました。例えば、1つの小さな細胞の中にある複雑で巧妙な仕組みや、すべての脊椎動物が発生途中(咽頭胚期)に一旦共通の形になる仕組みは本当に驚きです。そこに神秘的な美しさを感じます。そしてもう一つは“穏やかな気持ち”です。これは“穏やかな海”という景色から連想される気持ちでもありますが、それとは少し違うものも含んでいます。生命誌を学んで、遺伝子や生命科学の研究から明らかにされた、生きものの多様性や共通性を知り、自然界の生きものはみな繋がっているという事実を知ってから感じるようになったのがこの気持ちです。
それで、この気持ちはいったい何処から生まれて来るのだろうか?と考えました。
生きものや自然を大切に思いその存在を認めることは、結果的に、その自然の中に生きる自分の存在を認めて大切にすることになっていると気がつきました。つまり、この“穏やかな気持ち”は、自分が自然を通して自らの存在価値を認めた結果の自己肯定感だと思います。ちょっと不思議な因果をたどる心の動きですが、自分を肯定できれば安心感も生まれます。そんな気持ちが私にとっての“穏やかな気持ち”です。これは今では私の大切な気持ちになっています。SNSやAIの負の側面が蔓延し始めている今の世の中に必要なものだと思います。
生命誌の裾野は多岐にわたっていると思います。これからも生命誌の中のいろんな気持ちを感じられるように、多様な感性を育てたいと思っています。よろしくお願い致します。
お返事
生命誌を知ると「穏かな気持ち」になる。なんと嬉しいお言葉でしょう。まさにお書き下さったことを願って研究館を続けてきましたので、お一人でもそう言って下さることをありがたく思います。こちらこそよろしくお願いいたします。
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