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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

バックナンバー

【バックナンバー 】

1998年9月15日

 私事ですが、この度、思い立って、フィットネス通いを復活させました。今回は、結構気合いが入っています。
 ひさびさに行ったフィットネスでは、まず、マシンフロア。みんなもりもりトレーニングしている中で、私の身体は、他の人たちとの違いを露呈していたのでしょう。
「まず、無理をせずウォーキングから始めましょうね」とトレーナーに声をかけられ........。次はウェイト。さらにエアロビクス......。普段いかに身体を動かしていないかを感じます。
 最後はスイミング。使った筋肉をほぐすように、ゆっくりゆっくり泳ぐと、ほてった身体に少しだけ冷たい水が心地よい。このまま水中をたゆたっていたいという気がしてきます。先祖はやはり水の中で生まれたのだと実感するのはこの時です。
 う〜ン充実。と思って水から上がろうとしたその瞬間。なんと自分の身体の重いこと。私の身体はダンベルか、という感じ。そして、ご先祖はなぜ水から出て地上暮らそうなどととしたのだろうと疑問が噴出するのである。呼吸の仕組みを変えたり、乾燥から身を守るために皮膚を変えたり、さまざまな工夫が必要だっただろうけれど、中でも、重力に対応する身体を作るのは大変だったはず。陸上に新天地を求めざるをえなかった諸事情があったのだろうが、それにしても一大事業だったにちがいない。ご先祖さま、ご苦労様という感じである。
 人間は、再び水の中に戻って、プカプカと浮いて暮らすという生活に戻ることはないのでしょうか。とても楽ちんなんだけどね。今考えられている進化の方向が、逆に行くことはないのだろうか...ということなんだけど、そんなこと考えてないで、体重減らせばいいんだよね。
 そういえば最近、「今まで学問として認められていなくて物語として語られてきた「進化論」は今や遺伝子の研究で「進化学」として昇格した。しかし、その分魅力を失ったかもしれないね」と岡田館長が言っていました。生命誌研究館には、「進化」についての展示もあります。それを見ながら、みなさん思い思いにかってな想像を巡らしてみるのも楽しいと思いますよ。           [高木章子]

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