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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【生命誌の新たな「顔」求む】

2015年3月2日

齊藤 わか

BRHは色々な媒体を使って情報発信していますが、目玉はなんといっても館内の展示ホールです。しかし来館者から「展示がむずかしいねえ」という感想をいただくことが度々ありますし、地質学者の糸魚川淳二先生(現・半原版画館館長)はBRHの展示をこう評して下さっています。「―なかなかむずかしく、少しみたくらいでは理解できないが、じっくりみると優れた内容の展示であることがわかってくる――まさに考えさせる展示である―(『新しい自然史博物館』:1999年)」。専門家がこう言うのだから、一見むずかしいのは仕方ない、と開き直るために引用したのではありません。もっと分かりやすい展示を追究すべし、という自戒も胸に刻んでおくとして、BRHの「考えさせる展示」を楽しんでいただくためにお勧めしたいのが展示ガイドツアーです。ガイドスタッフが一緒に館内を巡り、展示をご紹介します。一方的に知識を伝える場ではなく、来館者とスタッフが生きものについて一緒に考え、対話する場です。

実はいま、BRHの新たなガイドスタッフを募集中です。生きものや研究に深い関心のある方なら知識・経験・年齢は問いません。(生命誌のコンセプトを説明するための知識は、1〜2ヶ月程度の研修期間で身につけてもらっています。)大勢の人の前で話す経験、様々な立場の人と語り合う経験、生きものの底知れぬ神秘に触れる経験、この全てを一度に得られるアルバイトはなかなかありません。生命誌の「顔」として、個性を生かした生命誌トークを展開していただくことを期待しております。これまで展示ガイドスタッフから巣立っていった学生さんは、研究者、サイエンスコミュニケーター、学校の先生、機械設計など、ひじょうに多様な道を選んでいきました。あなたの勉学、仕事、研究活動、就職活動、家庭生活において、この経験がプラスになることは間違いないでしょう。この3月で展示ガイドを卒業する吉田さんも、「(この経験がそのまま社会で生かせることはないけれど)かけがえのない経験でした」という声を寄せてくれました。最後のほうは怪しい宣伝文句のようになってしまいましたが、生きものが好き、生きもの研究が好きというあなたのご応募をお待ちしております。

かくいう私もかつては展示ガイドのアルバイトをしていましたが、それまでは生命誌の存在を知りませんでした。面接で初めてBRHに来て「こんなキレイなところで働けるのかあ」と呑気に喜んだのを覚えています。その後、展示の説明に関して憶えることが多いのに辟易しましたが、慣れれば楽しめるようになりました。そのようなわけで、あまり構えずお気軽にご連絡いただければと思います。

[ 齊藤 わか ]

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