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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【受賞に際して】

2015年3月16日

村田 英克

「自然を知る新たな知を求めて 〜映像で語る生命誌研究館の20年〜」が、第56回科学技術映像祭に入選し、研究開発・教育部門優秀賞を頂きました。「受賞に際して」という題で事務局の方に提出した文を転記させて頂きます。表現日記への掲載にあたり後半を追記しました。

この記録映画は、生命誌研究館設立20周年の節目にこれまでの活動を総括し、改めて自分たちの現在を世に問う気持ちでつくりました。私たちの活動の基本は、チョウ、ハチ、クモ、カエルなどの身近な生きものから生命現象を探る実験研究です。個別の研究成果を総合し、誰もが楽しめるように美しく表現することで広がる知識共有から新たな知の創出を目指しています。生命誌研究館という「場」は、小さな生きものの世界を見つめ「生きているとはどういうことだろう」と問い、考える人々の交流に支えられています。この映画は、研究する人、表現する人、来館する高校生や子どもたちなど、さまざまな人が集う館の活動に1年間カメラを向けて記録し、その出来事を、研究が描き出す生命38億年のドラマに重ねて生命誌を物語る試みでした。今回の受賞は、次の20年に向けて新たな一歩を踏み出す大きな励みとなるものです。ありがとうございました。

20年の館の活動を36分に込めたこの作品は実に多くの方々に支えられ形になりました。一緒につくった仲間、撮影に快く応じて協力してくれた方々に感謝します。この短編映画は生命誌研究館を表現した作品です。作品として自律的に構造化していますから、上映する度、その場に、生命誌研究館って何なのかがわからないところも含めて多義的に立ち現れてくると思います(3D じゃないですよ、気持ちの問題です)。是非いろいろなところでいろいろな方々にご覧頂きたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。


ヨシ原焼き(高槻)
平安時代から続くと言われるヨシの群生地「鵜殿」には、今も雅楽の篳篥(ひちりき)の盧舌(ろぜつ)に用いられる良質のヨシが育つ。写真は2013年2月24日の撮影(本編に登場するカット)。今年の野焼きは2月22日に行われた。

○大変ありがたいことに、映像祭の入選作品を全国の科学館で鑑賞できる上映会が予定されています。プログラムの詳細は、「第56回科学技術映像祭」ホームページをご覧下さい。

○当館でも、「自然を知る新たな知を求めて 〜映像で語る生命誌研究館の20年〜」の上映会向け貸し出し(DVD / BD)を行っていますので、気軽にお問合せください。

●最新作の長編ドキュメンタリー映画「生命誌を紡ぐ(仮題)」は、公開に向け準備中です。
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[ 村田 英克 ]

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