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生命誌マンダラ

個を形づくる階層性を表現

1Fエントランスホール

ゲノムは、多様、普遍、全体、歴史、関係、階層、自己創出など生きもののもつさまざまな特徴をもっています。展示「生命誌絵巻」「新・生命誌絵巻」では、生きものの多様性、全体性を意識しながらそれを支える歴史と関係に注目しました。次には階層性、自己創出性を描きたいと考え、開館20周年に生命誌マンダラをつくりました。
密教の思想を表現したマンダラは、中央に全体性を象徴する大日如来が、その周りにさまざまな仏が描かれています。大日如来がそれぞれの仏に変化して現れ、それが宇宙だと言われます。これを生きものに当てはめ考えました。個体という全体をつくる能力を秘めた細胞である受精卵が大日如来であり、それがさまざまな姿で現れ、生きものの宇宙をつくっていくと。本質を示すというマンダラの基本に学び、生命体の本質を見ていきましょう。(画:中川学、尾崎閑也)

みどころ01

中央は受精卵

大日如来の場所に受精卵があります。発生を始めた受精卵は時を追ってさまざまな細胞に分かれていきます。その多様な細胞がからだをつくっていく過程を追いながら、個体の中の細胞の位置と成長の時間によって、ゲノムが多様にはたらく様子を見ていきます。

みどころ02

生きもののもつ階層性

受精卵に存在したゲノムは、細胞、組織、器官、個体、そして種という全ての階層でそれぞれに見合ったはたらきをします。「ゲノムは階層を貫いている」のです。

みどころ03

進化の時間という物語

縁を飾る円には、化石として残された絶滅した生きものを描きました。ここから内へ向かってマンダラを眺めると、中心の細胞が原始細胞となり、そこからの38億年の歴史が階層を生み出してきた姿が見えてきます。

みどころ04

織物

「生命誌マンダラ」は電子ジャカード織りで、縦に白、黒2色の糸を約7千本、横に白、黒、青、緑、黄、赤6色の糸を約1万8千本織り、糸が交叉する約1億3千万個の点によって描かれています。まさに生きものの歴史と階層が紡ぎ出されています。

解説

「私のゲノム」(個体)は、「ヒトゲノム」(種)であり、また私を構成する「細胞のゲノム」でもあります。中央にある受精卵から分化した多様な細胞は、同じゲノムを持ちながら存在する位置と成長の時間に合わせて適切な遺伝子が発現することで、 多様な組織・器官をつくりはたらきます。つまりゲノムはすべての階層を貫いているのです。自然・社会は共に階層性を持ち、それを知ることが大事ですが、そこにはゲノムに当たるものが見つかっていません。他には存在しないこの特徴を生かして自然・生命に関わる知を組み立てたいと思います。 また、生命誌マンダラには、受精卵から個体ができ上がっていく発生の時間が組み込まれています。受精卵は自己創出能をもち、時間と共に細胞を分化させ、組織や器官をつくり階層を生み出します。第6層では、多様な個体が集まって種をつくり、生態系をつくることを示しました。ここには多様性が示されています。第7層はそれが過去にも存在したことを示しています。生物界には、一細胞が一個体であり階層性を持たない原核生物が存在します。そこから真核細胞が生まれて多細胞生物となり、階層性が生じたのです。つまり原核細胞の中に階層性をもつ生物を生み出す潜在能が存在したわけです。そこで、中央の細胞を始原細胞(原核)とすることで、階層性を生み出す歴史をも考えようと、第7層に過去の生きものを配置し、歴史性を含めました。

3つの表現の統合化

開館時から10年毎の節目につくった3つの表現「生命誌絵巻」「新・生命誌絵巻」「生命誌マンダラ」を統合しました。それぞれの表現に動きを与え、その考えをより具体的に伝えます。統合図の円錐の中心軸と底面の放射方向の軸は、それぞれゲノムが生きものの時間と階層とを貫くことを示しています。この表現を総合知を探る一歩にしたいと考えています。

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