生命誌の広場

生命誌は“生命“を基本に置き、最先端の生命科学の知見に基づき、「生きる」について考えています。このホームページを読んで思ったこと、研究館の活動について、みなで語り合う場を設けました。いろいろな方の考えを出し合ってこれからの生命誌につなげていきたいと思います。あなたの考えをお聞かせ下さい。

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みなさんからのご意見

中村桂子のちょっと一言

天然知能と生命誌

投稿日:2019.03.03 ニックネーム:ミッキー

「天然知能」を読みました。この本は天然知能の解説にあたって、「言葉による解説」と「モデル(図)による解説」をしています。天然知能自体を説明するモデルは最初の3つで、残りの20ほどはモデルの発展系でいろんな事象を説明しています。しかし、この部分が特に難解、というより趣旨が理解できませんでした。その代わり、「言葉による解説部分」は理解できました。いささか解説調ですが、ご一読いただければ幸いです。

郡司ペギオ幸夫さんは、天然知能を「知覚できないが存在する“外部”を受け入れる知性」と定義しています。それに対する知性として、(A) 自らの経験によって鍛え上げられた一元的価値観によって、全ての知覚されたものを評価する知性と、(B) 世界に対する正しい知識という意味で、「客観的知識」を指向し、自分はそれを所持していると信じている知性、の2つを挙げています。これらからペギオさんの考える天然知能の位置付けが分かります。
本の中程に、天然知能が持つ「向こう側感」の説明があります。私が一番知りたいと思っていた内容です。それは、
人間は左右の目の視差によって目の前の景色に遠近感や立体感を感じていますが、遠景になると左右の網膜に映る景色が同じになり、遠近が感じられない“平面景色”になります。彼はその位置を「スクリーン」と表現しています。そして、天然知能はそのスクリーンの「向こう側を認知する知性」だと語り、その感覚が天然知能の「向こう側感」だと言います。
中村館長は、私の「想像物語」を見て、これは生命誌であり「生きもの感覚」だと仰いました。「想像物語」は、食草園の周りの壁(スクリーン)を透かして見て、その“向こう側”に生命誌の世界を描いています。この感覚は、天然知能の「向こう側感」と一致します。だから、“天然知能は中村館長の仰る「生きもの感覚」である”ということが、ペギオさんの言葉で確認できました。
生命誌で大切な「自然との一体感」は目の前にある自然の風景の「向こう側」にある“活き活きとした自然”を“実感”することです。それは多くの現代人が失ってしまった感覚ですが、生きものは普通にそうしている感覚(生きもの感覚)だと思います。

追伸1:
割愛しましたが、ペギオさんは「外部」としてもう一つ「無意識あるいは潜在意識」を挙げていて、「向こう側感」と合わせて、天然知能の心の動きをモデル1〜3で説明されています。
追伸2:
“ペギオ”の名の由来ですが、お子さんが生まれるときに奥さんに名前ぐらい考えてよと言われ、「ペンギン」にすると言ったら即座に却下されたそうです。でも、せっかく考えたのだからと、自分のミドルネームをペギオとしたらしいです。彼はおそらくお子さんにファーストぺンギン(先駆者)になって欲しかったのだと私は勝手に思っています。なんとも愛すべきキャラクターの方ですね!

お返事

投稿日:2019.03.04 名前:中村桂子館長

ていねいにお読みになった御報告ありがとうございます。楽しく拝読しました。「生命誌」ではここで言われていることを小ちゃな生きものを通して日常の中で考えていくつもりです。よろしくお願いいたします。

季刊生命誌について

メルマガ登録をしました

投稿日:2019.03.02 ニックネーム:やっちゃん

ワクワクしながら読ませていただいています。
紙工作のバラエティーに驚いています。紙工作が動くのには更にびっくりしました。印刷環境を整えて、ぜひ挑戦してみたいです。
保育園で夕方から働いていますが、こどもたちは動くものが大好きです。昆虫、恐竜は大好きで、好奇心いっぱいの目で見つめています。生命誌1ダウンロードを活用して、子どもたちと一緒にワクワクを体験しようと計画中です。

お返事

投稿日:2019.03.04 名前:中村桂子館長

生命誌を保育園で生かしていただけるのはとても嬉しいことです。ありがとうございます。科学が関わると大人はすぐ難しいという言葉に向ってしまうのですが、小ちゃい人は大丈夫。難しいなどという言葉も知らないくらいの方がよいかもしれません。

中村桂子のちょっと一言

Re:生きものの世界とAIの世界

投稿日:2019.02.23 ニックネーム:ミッキー

コメントありがとうございます。細胞の部屋は私の大好きな展示です。細胞に囲まれて細胞の中を覗く。落ち着いた気分になれますね。

お返事

投稿日:2019.02.27 名前:中村桂子館長

ありがとうございます。
細胞は生きる基本なので、それを感じとっていただける場になっていることとても嬉しいです。

その他

BRHメールマガジンvol.350、及び、お祝い

投稿日:2019.02.22 ニックネーム:相模のラクダ

【中村館長様】
★季節は24節季「雨水」雪や氷が溶け草木の芽が出始めるを過ぎ、寒さも暖かくなり始めるかな?さて、中村桂子のちょっと一言「カントの永遠平和を考える」ですが、カントが言った「人に対する敵意のない」状況・・の意味は重く、20万年前アフリカから出てきた人類は、現代人として、この重要な意味を再考してほしい状況ですね
★最近オーストラリアの学者が「ドロの法則?進化は非可逆」にマッチするトカゲを発見?南米アンデス山脈に生息し、進化に伴い生息地が低地(産卵)→高地(子供出産)と→低地(でも産卵に戻らず出産のまま)。本当なら、低地では進化上 産卵の方が適していると思うのですが・・館長様:非専門でしょうが、この法則の解説・ご意見等いただければ幸いです
★館長の新刊 珠玉の著作集成 発刊おめでとうございます。:『中村桂子コレクションいのち愛づる生命誌 全8巻(藤原書店)』解説は、あの養老孟子氏でした。では、季節の変わり目、お体 ご自愛を・・。

お返事

投稿日:2019.02.22 名前:中村桂子館長

・さまざまな人類の中で一つだけ生き残ったホモ・サピエンスの「賢さ」の意味を噛みしめたいと思っ ています。

・トカゲの話。論文を読んでいないのでわかりませんが、進化は結果から考えるものとされていますから、低地に産卵ではない仲間がいるという事実から素直に考えるほかないのではないでしょうか。
 次いで、そこから一般法則が導き出せるかどうかも。ありきたりのお返事で申し訳ありません。

・「コレクション」に目を止めていただきありがとうございます。「生命誌」はこれからも育っていくと思いますのでよろしくお願いいたします。

中村桂子のちょっと一言

生きものの世界とAIの世界

投稿日:2019.02.11 ニックネーム:ミッキー

最近私がハマっているのは、胚発生の映像です。クモが発生時に前中後の3つの部分に異なる縞模様を作りながら からだ造りを進める映像や、カエルやニワトリの原腸形成運動の映像です。小田先生や橋本先生のレクチャーで見せて頂き、この目に焼き付いた映像です。生きものはどうしてこんなことができるのだろうか? なんと不思議で美しい光景なんだろうか! と思います。たった1つの受精卵が分裂と分化を繰り返し、「からだ」という複雑な構造物を創り上げる。これこそ “命の営み”だと思います。その光景を見ていると、とても穏やかな気持ちになりますね。

ところで最近、AIの勉強をしているのですが、登場するAI研究の先生方の中に、「AIは必ず人間を超える」とか「人間は、ちょっと複雑な機械だと考えればよい」などと仰る方がいます。失礼ながら、いくら偉い先生でも、なんと狭い了簡で研究されているのかと思ってしまいます。こんな先生方には“胚発生の映像”を見て頂き、生きものである人間とAIを同じ土俵で語ることの愚かさを考えて頂きたいと思います。

ただ、わたしはAIを全否定するつもりはありません。理由は、今の日本の状況、超高齢化と少子化です。国の総人口が減少する中で、少子化で労働人口がさらに減少し、長寿化で65歳以上の人口割合が増加します。すでに現在でも日本は労働者不足です。特に、必要な所に労働力がない状況だと思います。「AIは人の仕事を奪う」とささやかれ忌避される傾向にありますが、本当にそれでいいのでしょうか? もう少しAIについて勉強しながら考えてみたいと思います。

お返事

投稿日:2019.02.22 名前:中村桂子館長

最近の生きもの研究は、小さな世界を観ることができるようになったことがすばらしいですね。研究館の細胞の部屋はまさにそのような映像がたくさんです。是非いらして下さい。
AIは本質的に生命体とは異なりますので、異なるものが超えるはずはありません。それなのに超えるかのように思ってしまうことが危険だと思っています。

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