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季刊「生命誌」は音楽などの文化を最新の科学と同居させ、新しい知の表現を試みる冊子として、開館と同時に創刊しました。
2019年に100号を迎え、記事数は800を越えます。生命誌の本棚を巡る気持ちで自由に記事を行き来してみてください。

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“アート”での検索結果を表示しています。(82 件の記事が該当しました)

TALK

物語を伝承する生きもの

岩田 誠×中村桂子

1942年東京生まれ。東京大学医学部卒業後、仏サルペトリエール病院、米モンテフィオーレ病院へ留学。1994年東京女子医科大学神経内科主任教授、2004年同大学医学部長、2008年同大学名誉教授。メディカルクリニック柿の木坂院長。中山賞、仏日医学会賞、毎日出版文化賞ほか受賞。著書に『見る脳・描く脳』『鼻の先から尻尾まで』『ホモ ピクトル ムジカーリス』ほか。

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TALK

徳川日本の文明に学ぶ

芳賀徹×中村桂子

1931年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒、同大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化専攻博士課程修了。文学博士(東京大学)。東京大学教養学部教授、プリンストン大学客員研究員、国際日本文化研究センター教授、京都造形芸術大学学長などを経て、現在は国際日本文化研究センター名誉教授、東京大学名誉教授。主な著書に『渡辺崋山・優しい旅人』、『みだれ髪の系譜』、『平賀源内』(サントリー学芸賞)、『絵画の領分 - 近代日本比較文化史研究』(大佛次郎賞)、『詩歌の森へ - 日本詩へのいざない』、『藝術の国日本 - 画文交響』(蓮如賞)など多数。

TALK

土と和する芸術と科学

樂 吉左衞門✕中村桂子

1949年、樂家十四代覚入の長男として京都市に生まれる。1973年東京藝術大学彫刻科卒業後イタリア留学。父、覚入の没後,1981年に十五代樂吉左衞門を襲名し現在に至る。2007年には滋賀県守山市の佐川美術館に樂吉左衞門館が新設され、館ならびに茶室を自身で設計した。当代の造形は、伝統に根ざしながらも現代性へと大きく踏み出している。

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季刊「生命誌」93号和 | なごむ・やわらぐ・あえる・のどまる

NHKの子どもの時間の「にほんごであそぼ」で、「和のどまる」という言葉を知りました。辞書に、のどかになる、しずまる、おちつく、とあります。今年のテーマに加えます。最近の社会の動きには、しずまり、おちついてほしいと願うことが多いので。

樂吉左衞門さんが、悩んだら自然の中に入ってその静けさを感じ、そこからの目線を持つことで次の仕事へ移れると話して下さいました。生命誌は、科学を通して人間は自然の一部という視点から生き方を探しています。そこで、しずまり、おちつくには、やはり自然の中にいる感覚が大切と考えています。その翌日、AI(人工知能)の研究会に参加し、人間を越えたポスト・ヒューマンの時代を予測する議論に違和感を覚えました。

今回のリサーチは無脊椎動物。昆虫など小さな生きものに学ぶのは生命誌の基本です。難波啓一先生も顕微鏡で観る小さな世界に学ばれています。

「和まる」。よい言葉だとお思いになりませんか。日々の暮らしにこれを生かすお仲間になって下さい。ホームページの「ちょっと一言」にも書きましたので、覗いてお考えを書き込んで下さい。

2017年6月1日 中村 桂子

TALK

地上の光と生きものと

内藤 礼 × 中村桂子

1961年広島県生まれ。1985年武蔵野美術大学卒業。1997年ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館にて《地上にひとつの場所を》を発表し注目を集めた。恒久設置作品に《このことを》(2001年、家プロジェクト 「きんざ」)、《母型》(2010年、豊島美術館)がある。2015年には30年にわたる仕事を包括した作品集『内藤礼|1985-2015 祝福』(millegraph)が刊行された。

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TALK

距離と尊重をもって自然に接する

崔 在銀 × 中村桂子

1953年ソウル生まれ。76年より東京に在住し、草月流で華道を学ぶ。84年から3年間、草月流三代目家元、勅使河原宏のアシスタントとなる。95年には、日本代表の1人として第46回ヴェネチアビエンナーレに出品するなど、国際展への参加多数。2001年には、映画「On The Way」を発表した。2000年からはべルリン在住。

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TALK

生命誌を編む三つの対話

伊東豊雄 × 新宮晋 × 末盛千枝子 × 中村桂子

1941年ソウル生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。1971年にアトリエ開設。ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、プリツカー賞など多数受賞。主な建築作品に〈せんだいメディアテーク〉〈多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)〉、著書に『風の変様体』『あの日からの建築』などがある。
新宮晋(しんぐう・すすむ)
1937年大阪府生まれ。東京芸術大学絵画科卒業後,渡伊,留学中に立体作品へ転向し、風で動く彫刻を制作し始める。巡回野外彫刻展「ウインドサーカス」を欧米9ヵ所で開催。自然エネルギーで自活する村「ブリージングアース」を構想。代表作に「光のさざ波」「はてしない空」(関西国際空港旅客ターミナル)など。
末盛千枝子(すえもり・ちえこ)
1941年東京生まれ。父は彫刻家の舟越保武。1988年株式会社すえもりブックス設立、代表となる。IBBY名誉会員。M.ゴフスタインの作品の紹介や、まど・みちお氏の詩を皇后美智子さまが英訳された本など、国内外で独自の価値観による出版活動をした。岩手へ転居した直後に震災に遭う。以降、被災地の子供達に絵本を届ける「3.11絵本プロジェクトいわて」代表を務める。

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TALK

絵と言葉で自然を描き出す

今橋理子 × 中村桂子

1964年東京都生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、東海大学文学部専任講師を経て、現在、学習院女子大学国際文化交流学部教授。秋田蘭画から花鳥画、動物画などの実証研究を通して、絵画作品の歴史的な意味を明らかにする。著書に『江戸の花鳥画』『秋田蘭画の近代』ほか多数。

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TALK

美しさを根っこに横へのつながりを

末盛千枝子 × 舟越桂 × 中村桂子

1941年東京生まれ。父は彫刻家の舟越保武。1988年株式会社すえもりブックス設立、代表となる。日本児童図書評議会副会長。M.ゴフスタインの作品の紹介や、まど・みちお氏の詩を美智子皇后が英訳された本など、国内外で独自の価値観による出版を続けている。

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RESEARCH

文楽-家元・門閥なしに継承する独自の芸

後藤静夫

1946年静岡県生まれ。京都大学文学部史学科卒業。財団法人文楽協会、特殊法人国立劇場、独立行政法人日本芸術文化振興会国立劇場を経て、2004年より京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授。

TALK

音の響きにいのちのつながりを聴く

藤枝守 × 中村桂子

1955年広島県生まれ。カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程修了。純正調による独自の音律理論を築いた実験作曲家ハリー・パーチらの影響のもと<植物文様>作曲シリーズなどで新たな音律の可能性を探る。箏や笙による合奏団「モノフォニー・コンソート」を組織。主なCDに<今日は死ぬのにもってこいの日>、著書に『響きの考古学』などがある。

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TALK

町衆がつくる21世紀の文化

大原謙一郎 × 中村桂子

1940年生まれ。東京大学経済学部卒、米国エール大学大学院博士課程修了。(株)クラレ副社長、(株)中国銀行副頭取を歴任。現在、財団法人大原美術館理事長を務めるかたわら、倉敷芸術科学大学客員教授として非営利事業経営論を講義。他に倉敷中央病院理事長、倉敷商工会議所会頭、岡山県教育委員、岡山県文化連盟会長などを兼任。著書に『倉敷からはこう見える-世界と文化と地方について-』。地域から世界に向けて文化の発信に取り組む。

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季刊「生命誌」51号関わる

前回は50号の特集。一区切りをつけて、今回からまた新しい気持ちでのスタートである。文化、地域、産業、歴史…あらゆる営みを関連づけるのは人しかいない。産業や歴史が大きな顔をするのでなく主役は人。企業人と芸術家のみごとな連携が作った大原美術館を21世紀を意識しながら再創出している大原謙一郎さんの話には学ぶところが多かった。

リサーチは藻と三内丸山遺跡。藻も含めて真核単細胞生物はいろいろな可能性を秘めており面白い。その中で、トレボキシアが多細胞化への道を考えさせてくれる。大噴火という住民には迷惑だけれど研究者にとっては、自然の実験となるという意味でありがたい現象を捉え、それが三内丸山の総合文化を創ったのではないかということを発見。土器の形式、花粉の分布、地層と従来別の学問の対象だったものを総合すると見えてくる自然と人の深い関わりが面白い。

サイエンティストライブラリーは岡田節人前館長の第一弟子で日本の発生生物学研究のリーダーである竹市雅俊さん。細胞接着のメカニズム解明というと理屈っぽく聞こえるが、生きもの好きだからこそできた研究と断言。リニューアルしたホームページでの51号からの新しいスタート。更なる広がりと関わりを願っている。

TALK

生命誌という作品づくり

岡田節人

1927年兵庫県伊丹市生れ。京都大学理学部卒業。京都大学教授、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所所長、同機構長、国際生物科学連合副総裁等を歴任。1993年から2001年3月までJT生命誌研究館館長。京都大学、基礎生物学研究所、総合研究大学院大学それぞれの名誉教授。JT生命誌研究館名誉顧問。ハリソン賞ほか受賞多数。主な著書に『細胞の社会』『からだの設計図』などがある。

キーワード

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季刊「生命誌」50号関わる

今回は創刊50号を記念した特別号です。感謝の気持ちを込めて、少しだけ豪華な内容にしました。50号記念として岡田節人名誉顧問との対話、強力応援団の勝木さん、西垣さんとの座談会で、生命誌のこれからを考えました。科学が科学技術に吸収され、じっくり考える場が少なくなっているために、美しくあろうとか日常性を忘れないという当たり前のことが、当たり前でなくなっています。それを再認識して、初心を忘れず挑戦を続けることが大切という示唆を得ました。リサーチは、研究館の6グループの現在をまとめました。ラボセクターは小さなグループですが、発生・進化・生態系を総合的に見る姿勢を忘れず、特徴ある成果をあげつつあります。研究の表現への意欲も高まり、論文はもちろんレクチャーなども積極的に行っています。活用して下さい。SICPセクターは、独自の表現への挑戦の先駆者を自覚し、それを楽しんでいます。サイエンティストライブラリーはお休みです。季刊『生命誌』はトーク、リサーチ、サイエンティストライブラリーを主軸に編集してきました。ホームページを新しくし、これまでの記事の中からwebで呼んで頂けるものが241になりました。これからも増やしていきます。これまでをまとめてみたら、基本は変えず、時代と共に動いてきた生命誌が浮かび上がりました。50号を機とした「生命誌への思い」を受けとめて頂ければ幸いです。

TALK

音は身体全体で感じている

大橋 力

1933年生まれ。東北大学農学部卒業。筑波大学、文部省放送教育開発センター等を経て、財団法人国際科学振興財団理事・主席研究員。文明科学研究所所長。情報環境学を提唱する。知覚を超える高周波を含む音が脳を活性化する「ハイパーソニック・エフェクト」を発見。山城祥二の名で芸能山城組を主宰する音楽家でもある。主な著書に『情報環境学』『音と文明』、アルバム『輪廻交響曲』『交響組曲AKIRA』など。

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季刊「生命誌」49号関わる

今年のテーマは“関わる”。 “生きる”と同義語と言ってもよく、特別の視点ではないが、関わりが薄くなっている現代社会のことを考えてとりあげた。トークは“聴く”。常に全方向から入り、時間的現象である音の環境としての意味を、科学者で音楽家の大橋 力さんと語った。人類の故郷である熱帯雨林にある豊かな音の中に、聴覚でなく身体に働きかける音があり、その全体が快さをつくるというデータは納得できる。都会のマンションは音の砂漠とのこと。関わりのない場を思わせる。リサーチは、テナガザルとサンショウウオ。熱帯雨林でデュエットするサルがメロディーの中からお気に入りの部分を引き出すところが人間の赤ちゃんの言語習得に似ていて面白い。密度が高いと、頭が大きく共食いするサンショウウオが出るのだが、血縁 関係の中ではそれが見られない。何がそうさせるのだろう。サイエンティストライブラリーは大沢文夫先生。83歳の今も現役の雰囲気で、自分で考え、手を動かすことが必須と厳しい。その結果、あいまいさが生きものの本質であると見抜かれたのが面白い。エッセンスをカード、内容はこのジャーナルでという組み合わせでの発信がどこまでうまく行くか。今回表紙が変わって入りやすくなったでしょうか。ご覧下さい。

RESEARCH

ART in BIOHISTORY マンダラ-全体をみる

ART in BIOHISTORY マンダラ-全体をみる

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季刊「生命誌」48号観る

“観る”の原点は子供時代の朝顔の観察だろう。動かない植物はこちらもじっと見ることになる。身近な昆虫を調べ尽くした後、日本の植物図鑑が全てを網羅し良質であることに気づいて、植物を徹底観察した塚谷少年は、遺伝子から野外、更には小説の中と、あらゆる植物の姿を観て、“形とはなにか”を考える魅力的な研究者になった。植物の研究者がもっと増えてもいいのにと思う。

リサーチは、光合成を支えるタンパク質が、逆の反応とみられる呼吸で使われるものとほぼ同じで、しかも更にエネルギーを効率よくつくる工夫が加えられているという話。立体構造をよく観たらわかった動かない植物特有の巧みさである。リサーチ二つめは脳内のニューロン以外の細胞の機能。大量に見えているのに何故か情報伝達とは無関係とされてきた細胞が、カルシウム濃度の増減によって運動・感覚などの脳機能に関わっていたのである。見えているものを見直した話である。

アートはマンダラ。見えない仏の世界を形にし、聖と美を一体化して宇宙観を表した見事さは、観ると表現を考える私たちを圧倒する。生きものをよく観て現代のマンダラを描きたいと思う。

サイエンティストライブラリーは藤澤肇さん。眼から伸びた神経が正確に視覚野につながるのは、試行錯誤の末のこと。軸索を見えるようにしたことで、伸びる軸索を誘導するタンパク質とこちらへ来てはいけないというタンパク質の組み合わせでだんだんに正確な方向に導かれることがわかった。“観る”が研究の始めで終わりと断言する。

まさにその通り。一年間「観る」をテーマにし、細かいことを知る、基本を考える、統合化するなど全てが、じっくり観るところから生まれることを実感した。

中村桂子

TALK

[実物から探る] 自然と歴史を観る喜び

藤森照信 × 中村桂子

1946年長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。現在、東京大学生産技術研究所教授。建築探偵団、路上観察学会など多彩に活躍。著書に『看板建築』『建築探偵の冒険』『日本の近代建築(上・下)』『人類と建築の歴史』他。主な建築作品に<神長官守矢史料館><タンポポ・ハウス><秋野不矩美術館><高過庵>など。

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季刊「生命誌」47号観る

ぼくらは建築探偵団”とばかり、学生時代に暇にあかせて歩き回ったのが原点という藤森さん。設計図や写真を見れば建築のことはわかるとされていた中で、町に建つ家を自分の眼で見ることで、生活感覚を含めた新しい発見が多いことに気づいたという。建築を通して人間を見つめる眼に厳しさと暖かさがある。

リサーチのツボは細胞と細胞をつなぐ分子(カドヘリン)。生きものの形づくりの基本となるこの分子自身の形に、多様でありながら共通性をもつという生きものらしい性質がみつかり、分子の形の進化から生きものの進化が見えてきた。リサーチ二つめは、イリオモテヤマネコ。長い間西表島をくまなく歩いて続けてきた観察から、たった数百匹で20万年生き続けた小さな島のネコの特異な生き方が浮き彫りになった。生態系とその中での一つの生きものの生き方との関係を知るモデルとして面白い。

アートは擬人化。動物はおろか器具にも人の目を描いてきた日本の絵画と分子に目を描いたBRHの映像「細胞くん」。愛づるというところで共通点がありそうだ。

サイエンティストライブラリーは郷通子さん。タンパク質を物質として、時に生きものの一部として見ることで、その基本構造を探し出し、進化を考えた生物物理学らしい仕事をなさった。生命誌コーギはがん。医学・医療が生きることの本質を見つめるもの、また見つめねばならぬものであると思わざるを得ない。

鳥獣戯画の人の目の鳥が、見るだけでなく「観ている」ことに気づき、目は観ていることを知らせる意味も持つという“発見”をした。日本絵画を生命誌の目で見ていくとさらに楽しい発見がありそうだ。

中村桂子

ART

ART in BIOHISTORY 擬人化-人の目でみる

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季刊「生命誌」47号観る

ぼくらは建築探偵団”とばかり、学生時代に暇にあかせて歩き回ったのが原点という藤森さん。設計図や写真を見れば建築のことはわかるとされていた中で、町に建つ家を自分の眼で見ることで、生活感覚を含めた新しい発見が多いことに気づいたという。建築を通して人間を見つめる眼に厳しさと暖かさがある。

リサーチのツボは細胞と細胞をつなぐ分子(カドヘリン)。生きものの形づくりの基本となるこの分子自身の形に、多様でありながら共通性をもつという生きものらしい性質がみつかり、分子の形の進化から生きものの進化が見えてきた。リサーチ二つめは、イリオモテヤマネコ。長い間西表島をくまなく歩いて続けてきた観察から、たった数百匹で20万年生き続けた小さな島のネコの特異な生き方が浮き彫りになった。生態系とその中での一つの生きものの生き方との関係を知るモデルとして面白い。

アートは擬人化。動物はおろか器具にも人の目を描いてきた日本の絵画と分子に目を描いたBRHの映像「細胞くん」。愛づるというところで共通点がありそうだ。

サイエンティストライブラリーは郷通子さん。タンパク質を物質として、時に生きものの一部として見ることで、その基本構造を探し出し、進化を考えた生物物理学らしい仕事をなさった。生命誌コーギはがん。医学・医療が生きることの本質を見つめるもの、また見つめねばならぬものであると思わざるを得ない。

鳥獣戯画の人の目の鳥が、見るだけでなく「観ている」ことに気づき、目は観ていることを知らせる意味も持つという“発見”をした。日本絵画を生命誌の目で見ていくとさらに楽しい発見がありそうだ。

中村桂子

ART

ART in BIOHISTORY 異時同図-動きをみる

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季刊「生命誌」46号観る

「観る」の第2回。体内を観ることを原点とする解剖学を出発点として、現代生物学の全領域を渉猟し、見事な成果をあげている廣川さんの研究はこれぞ生命科学と思わせます。美しいと思うことが基本にあるのも魅力です。遺伝子を追うだけでもなければ、タンパク質を調べるだけでもない。生きているってどういうことなんだと問うています。瞬間を止めるから動きが見える。「観る」が狙っているのはやはり時間なのです。

リサーチはちょっととぼけた昆虫が教えてくれる自然界の実情です。捕食者が食べることが数をコントロールしているという思いこみを問い直します。自然界を観るよい系を探しあてるのもフィールドワークには重要なこと。西田さん発見のカメムシの行動に注目してください。

リサーチ2つめは、DNAのはたらきにとってその構造がどれほど大きな意味を持つかという広瀬さんの研究。分子の世界も形を丁寧に観ることが重要な時代になってきました。DNAが凝縮したり、ほどけたりするのをじっくり見て初めてはたらきが見えてきました。

サイエンティストライブラリーは研究館の顧問の吉川さん。枯草菌のDNA研究の底に脈々と流れる昆虫少年魂が見えます。

このカードも含めて、私たちは調べた結果を誰もがなるほどと思う形に表現することも研究のうちと考えています。どう表現すれば、美しくまた理解しやすくなるか。科学にもそれが必要です。アートでは絵画での工夫を参考に動きを観て表す方法を考えました。医学生向けの生命誌コーギ。今回はズバリ「ゲノム」です。ヒトゲノム解析が終わり、これを利用した医療が進むとされていますが、「私のゲノム」と「私」の関係を考えておかないとよい医療にはつながりません。しかけを観ながら考えて下さい。「観る」という言葉の中には生きることを考える鍵がたくさんあると実感しています。

中村桂子

TALK

[複製と共有] 観察による手描きと再認を求める写真

港千尋

1960年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1985年よりパリを拠点に写真家・批評家として幅広く活動。主な著書に『群衆論』『記憶』『映像論』『洞窟へ』、写真集に『瞬間の山』など。

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季刊「生命誌」45号観る

眼で見るだけでなく、見えてきたものの意味を考える「観る」が今年のテーマです。トークは写真家の眼を通して、観るとは何かを考えていらっしゃる港さん。一瞬を凝縮した写真から、撮影の瞬間には見えなかったものが見えてくるというお話は興味深いものでした。描くには時間が必要で、眼と脳と手が回路をつくって美しさという判断を入れていくことは、科学の世界でも認識されています。写真も再認という形での時間を含むという指摘は、観ると知るの関係を考える時の視点を与えてくれました。

リサーチは、まず脊椎動物が水中から陸上へという環境の大変化に、エラから副甲状腺への作り替えによるカルシウム調節という方法で対応した話。“あり合わせを上手に使う”という生きものの得意技です。BRHニュースに紹介したように私たちも生物、特に昆虫の上陸に注目した研究を始めています。もう一つは、分解を巧みに組み込んだ代謝を、分子に標識をつけることによって眼でみられるようにした研究です。肉眼や顕微鏡で見てきたことを、分子の動きに結びつけて考えられる時代になったことを実感します。

サイエンティストライブラリーの赤澤先生は化石を考古学の対象だけにせず、工学、解剖学、情報学などを駆使して、人骨を歩かせるなど生活感覚を生かした新しいフィールド科学を作っています。

「観る」の一例として、細胞内での分子たちのはたらきをCGで表現しました。細胞はたくさんの分子のつまった複雑な場であると同時に、一つの分子にとってはとても大きな空間だとわかりました。この二つの認識で細胞を見る新しい試みを続けます。BRHのシンボルである生命誌絵巻も、観るという視点から再検討しました。

中村桂子

季刊「生命誌」に掲載された記事のうち、
多様な分野の専門家との語り合い(TALK)研究者のインタビュー(Scientist Library)の記事が読めます。
さまざまな視点を重ねて記事を観ることで、生命誌の活動の広がりと、つながりがみえてきます。

オンライン開催 催しのご案内

シンポジウム

6/4(土)13:00〜16:30

虫の会 コケ食昆虫の自然史 〜生物の暮らしをたずねる旅〜